観光庁概算要求、32.7%減の460.5億円
(ウイングトラベル 2020年9月25日)
http://www.jwing.net/news/30156

【ポイント】
観光庁の2021年度予算概算要求額によると、前年度比33%減の460億5700万円となった。
大きく減少したのは「国際観光旅客税の税収活用関連」では43.3%減の290億円で、これ以外の予算規模は1.7%減と、あまり変わらない。
継続事業の予算要求は前年度と同水準とする一方で、新規事業については「事項要求」とし、今後の動向や国際観光旅客税の歳入見通しなどを踏まえ、予算編成過程で検討するという。

【 概 要 】
新規事業は事項要求に、予算編成時に再検討

観光庁は2021年度の概算要求で前年度比32.7%減の460億5700万円の要求を行った。東北復興枠の3億円を除いた一般会計の要求総額は32.9%減の457億5700万円。このうち国際観光旅客税の税収活用関連では43.3%減の290億円、これ以外の部分では1.7%減の167億5700万円とした。
概算要求は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で要求方針が変更。継続事業の予算要求に関しては前年度と同水準とする一方で、新規事業関連については「事項要求」とし、今後の動向や国際観光旅客税の歳入見通しなどを踏まえた上で予算編成過程で検討することとなった。
観光庁の事項要求は「観光の再生と新たな展開」を柱とし、「働き方改革とも合致した『新しい旅のスタイル』の普及・促進」「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進による観光サービスの変革と観光需要の創出」「宿泊施設を核とした地域における新たな観光ビジネス展開支援」の3点を要求した。

国際観光旅客税収関連で290億円
出入国者数大幅減も今後見据え一定水準で要求

基本方針としては、今年度取り組んでいる観光産業の事業継続や雇用維持、安全・安心に旅行できる環境作りや旅行需要の平準化に向けた取り組みなどを着実に推進しつつ、地域経済を支える観光の再生と新たな展開のための「新たな旅のスタイル」の普及・定着を図り、インバウンドの再開を見据えて、訪日外国人旅行者数2030年6000万人などの目標達成に向けた取り組みを推進することとした。

新たな旅のスタイル普及・促進やDXを推進
宿泊施設を核に新たな観光ビジネス展開支援も

新規事業化を視野に入れた事項要求に盛り込んだ3つの事項のうち、新たな旅のスタイルの普及・促進については、テレワークの普及による働き方の多様化も踏まえ、ワーケーションやブレジャーの普及を促進することにより、旅行需要を平準化し、混雑などによる感染リスクを軽減しつつ、より多くの旅行機会創出を目指すというもの。

教育旅行の国際交流、MICE誘致促進に予算増要求
訪日プロモ、一部事業は前年度予算から繰越も

戦略的な訪日プロモーションの実施と観光産業の基幹産業化関連では「戦略的な訪日プロモーションの実施」で83億円。「教育旅行を通じた青少年の国際交流の促進」に3000万円。「MICE誘致の促進」に26億8000万円。「観光産業における人材確保・育成事業」に12億円。「通訳ガイド制度の充実・強化」に6500万円。「健全な民泊サービスの普及」に1億5300万円をそれぞれ要求した。

令和3年度予算概算要求の概要  (観光庁)
https://www.mlit.go.jp/common/001364204.pdf?utm_source=BenchmarkEmail&utm_campaign=2020年9月4週号&utm_medium=email

基本方針
新型コロナウイルス感染症や令和2年7月豪雨の影響を受け、観光産業は厳しい状況に置かれており、令和2年度においては、大きな打撃を受けた観光産業の事業継続や雇用維持に全力を尽くし、安全・安心に旅行できる環境づくりや旅行需要の平準化に向けた都市組みを行いつつ、GoToトラベル事業等の国内観光需要の喚起に取り組んでいるところ。
引き続きこれら取り組みを着実に推進しつつ、令和3年度においては、地域経済を支える観光の再生と新たな展開のための「新たな旅にスタイル」の普及・定着を図り、インバウンドの再開を見据えて、訪日外国人旅行者数の2030年6000万人等の目標の達成に向けた取り組みを推進するとともに、さらに必要な施策について、今後の感染状況や観光需要の動向も踏まえつつ、また、国際観光旅客勢の歳入見通しを考慮し、予算編成過程で検討する。