「高付加価値旅行者」の誘致を強化 観光本格再開を受け、JNTOが表明
(共同通信社 2022年10月27日)
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【ホッシーのつぶやき】
JNTOが、旅行1回当たり100万円以上消費する「高付加価値旅行者」の誘致に力を入れていく考えを改めて示した。
消費額300万円以上の「ハイエンド層」も、100万円以上「ラグジュアリー層」も7割以上が中国人旅行者になる。
今、欧米豪のインバウンドに力を入れているが、中国人の富裕層もターゲットとして忘れてはいけない。

【 内 容 】
 新型コロナウイルス禍で大きく落ち込んだ訪日外国人旅行者数の回復に取り組む日本政府観光局(JNTO)は10月26日、四半期ごとに開くメディア向け事業説明会を東京都内で開き、訪日観光回復策の一環として、旅行1回当たり100万円以上消費する、いわゆる「高付加価値旅行者」の誘致に力を入れていく考えを示した。

 JNTOは、高付加価値旅行者の中でも消費額300万円以上を「ハイエンド層」と位置付け、100万円以上の「ラグジュアリー層」と合わせて、誘致ターゲットに設定、コロナ禍の観光消費減の回復を急ぐ。背景には、各国でコロナ対策の各種入国規制が緩和されて世界の海外旅行熱は高まっているものの、航空各社の人材確保の遅れなどで国際便の回復は一部地域を除き緩やかで、訪日客数の“急速な回復”を安易に期待できない現状がある。消費額の大きい高付加価値旅行者を増やすことで、「数」の少なさをカバーしたい考えだ。

 JNTOの中山理映子理事は説明会で「回復への取り組みを早めて、もちろん訪日客の“数”を増やしていくが、コロナ前の課題でもあった(訪日客の)1人当たりの消費単価の伸び悩みへの対応も、コロナ前より重点を置いて取り組んでいきたい。1人でたくさん消費してくれる方をなるべく多く誘致したい」と話した。

 高付加価値旅行者を増やす具体的取り組みとしては、1人当たりの消費単価が高いといわれている「アドベンチャートラベル」(自然や伝統文化などを体験する旅行)の普及促進を挙げた。JNTOの発表ではアドベンチャートラベルの市場規模は、欧州、北米、南米の3地域合わせて約75兆円(2017年時点)。雄大な自然を誇る北海道の行政や旅行業者は、世界の富裕層を魅了するアドベンチャートラベルに注目する。

 その北海道で2023年、世界のアドベンチャートラベルの関係者が一堂に集まる「世界サミット」が開かれる予定だ。JNTOは、この世界サミットも見据え、海外の旅行業ら関係者に向けて、日本で体験できるアドベンチャートラベルの魅力を発信する取り組みを強化するという。