13年前、南米最高峰アルゼンチンの「アコンカグアの入山料が40%値上げ」に学ぶ!
(平岡賢二さんFacebook 2024年10月3日)
https://www.facebook.com/groups/326647938299126/user/1369430250
【ホッシーのつぶやき】
入国税、宿泊税、入山料の是非や、「外国人料金」など二重価格の是非の議論が続いているが、アルゼンチンの「アコンカグア」の入山料値上げについて平岡さんがFacebookで紹介されたように、「入山料」も「外国人料金」と「自国民料金」に差があるのも世界標準として当然だという。「環境保護」や「トイレ・ゴミ」対策費用、「オーバーツーリズム対策」など理由を明確にすればほとんどトラブルはないようだ。
【 内 容 】
インバウンド向け登山ツアーコーディネートを生業にしている Climbing Japan の平岡です。13年前の今日、10月3日「アコンカグアの入山料が40%値上げの予定、云々」という投稿です。
アコンカグアとは、セブンサミッツ(世界7大陸最高峰)の一つで、南米最高峰。アルゼンチンにある山です。
記事の日付は2012年、僕がまだ南米に軸足を置いていた頃です。インバウンドにはまだ関わっていなかった。
この頃の記憶を手繰ってみると、そうそう、昨今日本で議論を呼んでいる外国人料金、二重価格の話も思い出したので、ちょっと紹介します。
アコンカグア峰はセブンサミッツの一つということもあり、毎年世界中から登山者がやってきます。
登山するには事前にパークレンジャー事務所で入山料を支払い登山申請をします。
上記投稿は「入山料が値上げされます」というものだったんですが、アコンカグア峰の入山料は、登山者の国籍等によって5段階に区分されています。
料金の高い方から
1.「外国人」
2.「ラテンアメリカ人(南米諸国の人)」
3.「アルゼンチン人」
4.「地元の町の人」
5.「山麓の村の人」
に分けられています。
外国人が一番高くて(来季は900ドル位になるらしい)、山麓の人は無料となっています。そりゃあ、山麓の人は毎日生活のために山の周りを歩き回っていますから、その度にお金をはらうわけないですよね。
さて、ここから本題です。
例えば富士山。この山に登りたくて世界中から登山者が集まる。という状況はこのアコンカグアと同じです。
であれば、相応額の入山料を徴収するのは世界標準として当然で、さらにそこに「外国人料金」と「自国民料金」の差があるのも世界標準で当然です。こんなの差別でもなんでもありません。
ちなみに僕の古巣パタゴニア地方の国立公園(いくつかある)も入山料を徴収していて、どこでも「外国人料金」と「自国民料金」に分けられています。その差は2~3倍くらいだったかな。
30年くらい見てきましたが、これに「差別だ」なんて文句をいう観光客なんて見たことありません。
富士山を始めとして、日本各地国立公園や名所旧跡は、世界標準として胸を張って「外国人料金という二重価格制を導入しましょう」というお話でした。
あぁ、そうそう、このアコンカグアやパタゴニアの国立公園のパークレンジャーは警察権限を持っていて、規則違反(違法キャンプや禁止区域への立ち入りなど)をしている登山者を見つけると文字通り「捕まえて」敷地外へ放り出します。
富士山も「世界遺産」であり続けるためには、入山料徴収に加えてそれくらい強権的な環境管理体制が必要なんじゃないかな。
環境保護のためというルールを明確にしておけば、だれも批判なんてしませんよ。