世界で人気、伸びしろ大きい日本の「SAKE」 日本酒参入許可へ(産経新聞 2019年11月20日)https://www.sankei.com/economy/news/191120/ecn1911200034-n1.html

世界の酒類市場は108兆円といわれ、日本酒は4千億円台と1%未満だという。平成25年に「和食」が無形文化遺産に登録され、「日本酒」も着実に世界に浸透し始めているが、30年に輸出された日本酒は9年連続で過去最高で222億円だった。国税庁は日本産酒類の競争力強化・海外展開推進事業費として、今年度の10倍の25億円を予算要求している。

【ポイント】日本酒の海外輸出促進のため政府が規制緩和するのは、世界で日本酒人気が高まっているにも関わらず、その需要をうまく取り切れていない現状があるからだ。世界の酒類市場は約108兆円といわれているが、日本酒は4千億円台と全体の1%未満で、消費地もほとんどが日本国内だ。ただ、うまく売り込めば世界で急成長する可能性があり、和食ブームを追い風に、日本の“SAKE”を世界に売り込む。
国税庁によると、ワインの世界市場は約23兆円。日本酒の57倍も飲まれており、料理と合わせて飲むお酒として大きく水をあけられている。

平成25年に「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを契機に、日本酒も着実に世界に浸透し始めている。財務省の貿易統計によると、30年に輸出された日本酒は約222億円で、9年連続で過去最高を更新した。
海外のレストランでも日本酒を提供する店は増えている。酒文化研究所代表は「日本酒はワインよりも、合わせられる料理の幅が広い。濃厚な伝統的料理はワインの方が合うが、フランスの調理法も健康志向の高まりで、日本酒が合う薄味に変わり始めている」「日本酒の輸出も今の10倍程度に増える可能性がある」と語る。輸出が10倍に増えれば、現在は4千億円程度の日本酒市場が1・5倍に拡大する。

政府もこうした環境変化を商機ととらえており、6月に大阪市で開かれたG20首脳会議でも日本酒をPRするブースを設けるなど情報発信に努め、輸出手続きの簡素化にも取り組んできた。令和2年度の予算要求で国税庁は、日本産酒類の競争力強化・海外展開推進事業費として、今年度の10倍に当たる25億円を要求している。