Amazonエクスプローラーについて 〜オンラインでのツーリズム&ショッピングの融合〜
スマート観光推進機構 理事 中西弘之
(観光のひろばZOOM 2021年3月23日)

【ポイント】
「Amazonエクスプローラー」は、2020年9月に発表された米Amazonが販売を開始したオンラインツアーです。現時点はアメリカのお客さんがヨーロッパなどを訪問するツアーで、今回、日本向けのコンテンツを追加しようとされている流れです。
今、ホストとして認定されるよう挑戦しているなかで、お商売にお役に立つのではと思い、今日、お話しさせていただきます。

2月14日にアマゾンの方からメールで「Amazonエクスプローラー」へのお誘いがあり、それから約40日間、書類手続きやメールでのやり取りが続いている段階です。まだ正式デビューができたわけではないのですが、これまでに分かった事などをまとめました。コロナ禍のなかで観光に、商売に支障をきたしている方のお役に立つのではと思い、今日、お話しさせていただきます。

         本日(3月23日)のAM10時に難波の道具屋筋で実機を使ったテストの風景
                   (自撮りのスマホで撮影)

アマゾンが開発したアプリを使用して、街の様子などをガイドしながら、お店に入って、商品にカメラを向けて映像を映しながら、「ゲストが購入したい」と言えばクレジット決済まで行うという、ツーリズムとショッピングが融合したシステムになります。

                     包丁屋さんでのショッピング

道具屋筋でも、これまでインバウンド客は高い品物から買ってくれた。包丁も3万円、5万円するものを買ってくれた。南部鉄瓶専門店では、3万円〜50万円と高額だが、店の商品がなくなるほど売れた。それが今はインバウンド客がゼロになってしまった。
道具屋筋のお店に話を持って行った時、お店側はウェルカムで、「すぐにも売って欲しい」との反応だった。

現時点で分かった事
• (ホスト側)アマゾンが開発した専用アプリを、スマホでホスト(ガイド)がライブで案内しながら、(お客側)パソコン画面(スマホ&タブレットは不可)を見ながらオンラインツアーを楽しむもの。
(動画はホスト→ゲスト一方通行、音声は双方向) ※ゲストの顔は見えない
• 当面はホスト対ゲスト=1対1 (複数のお客さんが同時予約は出来ない)
• 屋内外を回るツアー、一箇所の屋内で料理などを教えるワークショップも可能。
• オンライン体験に加え、スマホで商品を見せてショッピングすることができる。
(購入→決済まで完結する)
• ショッピングでは、食べ物、飲み物、化粧品、子供用品など取扱不可の商品も多数ある。
• 当面、(お客側)は、アメリカのみ。ツアー提供は世界中から可能。
  (将来は全世界に展開されると思われる)
• 30本まで動画などを差し込むことができる。
• Amazonエクスプロラを始めたい時、Seller(代理店)登録と、Sellerに承認されたHost登録がある。Seller登録の手続きは、書類など大変です。 (1ヶ月弱かかった)。
• AirbnbやTABICAなどと比べ、登録も審査も相当に厳しい。
Amazonセラー大学での大量テキストの読み込み、動画セミナーの視聴、簡単なテストもある。
• テストをクリヤーし、ツアーの文章、写真、動画等を登録完了すると、複数回のアマゾン社員向けのコーチセッションがある。(計7回、最低)
• A4用紙にギッシリ9枚分の初回コーチセッションの講評が送られてきた。
• 6月に米Amazonのサイト上で大規模なマーケティング・キャンペーンを展開する予定(多分)。

        奈良・鹿煎餅&お土産ショッピングツアー

奈良市内の商店街もインバウンド客がゼロになってしまった。少しでも海外顧客向けの売り上げを上げてもらいたいと思い、明日3/24)、奈良のリハーサルを予定しており、奈良公園で鹿にせんべいをあげた後、商店街に案内する予定です。
• 食器専門店…招き猫、鉄瓶、徳利&猪口、箸が売れ筋
• 骨董品店…掛軸、藍染、陶器、浴衣、帯、など
• 呉服屋…作務衣、浴衣、安い着物、など
• 奈良うちわ店…高級うちわ、結納飾りなど
• 食品サンプル店…満遍なく色んな物が売れた

2020年 Airbnbオンライン折り鶴体験(オンライン):お客さんから参加費がairbnbを通じて私に入ってくるだけの関係だった。

2018-19年 Airbnbサイクリング体験(対面):こちらも、お客さんから参加費がairbnbを通じて私に入ってくる仕組みだが、レンタサイクルを使って、寺の拝観料を払って、ランチを食べて、利き酒をし、お土産のショッピングにも案内して、終了すれば飲み会に誘われることもあった。これって地域経済に貢献していると改めて感じた。

Amazonエクスプロラのツーリズム&ショッピング(オンライン)

こちらもお客さんから参加費がアマゾンを通じて私に入ってくる仕組みになるが、ツアーとして街を紹介するだけでなく、お店を訪問して私に入ってくる仕組みになるが、ツアーとして街を紹介するだけでなく、お店を訪問してショッピングもしてもらうという、地域経済に貢献する仕組みになっていると感じている。

買い物の流れは、ゲストが「買いたい」と言うと、ゲストのパソコンにオーダー画面が写り、右側の「price your order」を押してもらうと、アマゾン側で決済処理がされ、私(ホスト)のスマホに決済表示が出る。
そして、私が商品を代理購入して、ゲストに送付する。
アマゾンから私(ホスト)に、ツアー料金と商品の購入代金と送料が振り込まれる。

中西理事の取り組みは、「見る観光」から「体験する観光」に移り、それが「ショッピングする観光」へと進化していると感じている。
地域経済に貢献するものになるので、NPO法人スマート観光推進機構としても取り組んでいきます。