霧島で1泊150万円のリゾート構想 〜仏ルレ・エ・シャトーが認めた経営者の挑戦〜(日経ビジネスオンライン 2月13日)http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20150212/277395/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt

先日の「カンブリア宮殿」で紹介されていて驚いたが、世界の最高水準として「仏ルレ・エ・シャトー」に認定された施設だ。レポートの後段に書かれている「日本の観光商品は安すぎるのではないか」は、私のような庶民には高嶺の花ではあるが、お金に糸目をつけない人が観光に出かけるうえでも必要だろう。そして、確実にブランドを形成してくれるのだと思う。

【ポイント】

鹿児島県霧島市の温泉リゾート「天空の森」のグループ施設に当たる「忘れの里 雅叙苑」が、昨春11月、仏ルレ・エ・シャトーに認定された。ミシュランとは一線を画し、ホテルのオーナーやシェフを中心に、世界60カ国を超える530程度の施設が加盟する、パリに本部を置く非営利団体だ。設立は1954年。加盟には厳格な基準を設け、世界でも年間20~30軒の施設しか認定を得られない。「おもてなし、洗練された魅力、個性、落ち着き、質の高い料理」という5つの観点から評価している。
ルレ・エ・シャトーが選んだ施設は『絶対に間違いがない』と言われている。
日本の『ルレ・エ・シャトー』認定施設あさば(伊豆修善寺)
オテル・ドゥ・ミクニ(東京)
柏屋(大阪)
神戸北野ホテル(神戸)
強羅花壇(箱根)
青柳(東京)
扉温泉明神館(松本)
別邸仙寿庵(谷川温泉)
べにや無何有(加賀)
レストランサン・パウ(東京)
ラ・ベカス(大阪)
ヒカリヤニシ(松本)
オトワレストラン(宇都宮)
レストランモリエール(札幌)
忘れの里 雅叙苑(霧島)

「雅叙苑」は、①地元向け湯治場「田島本館」、②古民家風の温泉旅館「忘れの里 雅叙苑」、③温泉リゾート「天空の森」の宿泊施設を運営する。今回認定を受けた「雅叙苑」は、1975年に藁葺き屋根を旅館に移築し、失われつつある南九州の生活文化を観光業で再現した人気旅館だ。最近は外国人客が3割程度まで増えているという。JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」では2年前の開始時点から雅叙苑と天空の森を宿泊施設に組み入れている。「天空の森」は1泊で1人15万円。
日本の観光商品の価格が安すぎるのではないかという疑問だ。「ななつ星」では、お金に糸目をつけない人が少なくない。これまでも色々な旅をしたが、どこか満足感が得られず、幸せを感じる穏やかな時間を求めている姿が見て取れるという。
観光業には電力、水道、人件費、料理などの固定費だけではなく、磨き上げた空間や景観に対するコストをもっと反映させていいのではないか。世界には、価値ある商品にいくらお金をかけても気にしない「超富裕層」が間違いなく一定規模存在する。観光業を再定義し、「50年、100年単位で日本の地域文化を発展させる」と、1泊150万円の宿泊施設の野心を抱いている。