鉃田さんの講演概要 ①
(第54回「観光のひろば」2024年7月29日)
今日は、奈良に関する書籍の刊行や毎日新聞にも記事を連載しておられるNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」専務理事の鉃田憲男さんに『ドーする、ドーなる、奈良県観光!』についてお話しいただきました。
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」とは、2007年1月から始まった「奈良まほろばソムリエ検定(略称:奈良検定)」の最上級「ソムリエ」に合格した者で、2011年、「奈良まほろばソムリエ友の会」が結成され、のちNPO法人化、現在の会員数は約440人。「奈良検定受験講座」や「奈良をもっと楽しむ講座」などの講演や、書籍の刊行、各種ツアーを実施されている団体です。
奈良県の観光の特徴は、日帰り観光が多く、宿泊者数が少なく、観光消費額が低いこと。大阪・京都に泊まって、奈良は日帰りになっているとの問題提起から始まり、NHKの「ブラタモリ」の奈良特集でタモリを案内したのが京都のガイドさんだったことに絶句したと言います。
2022年の奈良県の延べ宿泊者数は232万人で2019年の8割、外国人宿泊者数は3万人で2019年に比べ94%減といい、奈良県は「観光戦略本部」を立ち上げ、6つの成果指標を設定されました。
1、 観光消費額を2100億円に増やします。(2019年1807億円)
2、 一人当たりの観光消費額を宿泊客28000円、日帰り客5000円に増やします。
(2019年 宿泊客24807円、日帰り客4569円)
3、 延べ宿泊者数を350万人に増やします。(2019年 273万人)
4、 観光入込客数を5100万人に増やします。(2019年 4502万人)
5、 訪日外国人旅行者数を450万人に増やします。(2019年 350万人)
6、 旅館・ホテル客室数を12000室に増やします。(2019年 9735室)
奈良県の問題は、県民の「地元愛着度が低く」「地元旅行のおすすめ度が低い」(じゃらんリサーチセンター調べ)に現れていると言います。
しかし奈良県には素晴らしいところが沢山あると「奈良まほろばソムリエが選ぶ 私の好きな奈良20選」を紹介されました。
鉃田さんは「奈良の食」に強い思いをお持ちです。その鉃田さんは「マツコ&有吉 かりそめ天国」で有吉は「奈良で三食、食べるとなると困る」「おいしいものがない県のワースト4」「(ご当地)ラーメンもない」などと、言いたい放題。天理ラーメンも富雄のラーメンも知らない、奈良県がルーツの「神座(かむくら)」も知らないと怒っておられました。