『大阪料理会』という組織があることを知ったのでご紹介する。

『大阪料理会』とは、“大阪料理研究家である上野修三氏の呼びかけによって平成20年に誕生した大阪料理研究会に端を発するものです。当時、大阪料理研究会は主に大阪的な料理を志向する割烹店主らによって結成されていました。その後、大阪の料亭の団体である大阪芽生会と協同体勢をとることにより、共に大阪的な料理の確立、啓蒙などを目的として立ち上がったのが「大阪料理会」なのです”とある。

大阪料理とは
日本料理には宮廷料理や精進料理、茶懐石など様々な流れがあります。
その中で、大阪という地の利を活かし鮮度の良い海山里の食材を
料理(割烹)するスタイルを築き上げたのが大阪であり、そこに育まれてきたのが大阪料理なのです。
日本料理でありながら、京料理や江戸前料理などの名が各地にあるにもかかわらず、
大阪に大阪料理の名をあえて冠しなかったのは、まさにこうした理由に拠るものです。
では大阪料理は他とどう違うのか、それをまとめたのが【5つの調理心得】です。

1、食材第一義とす
食材の持ち味を第一義とするが、同時にそれを選ぶ眼力を養わねばならない。そして第一等でない素材でも、化学調味料は用いず、出汁の力、もしくは数種を合わせることによって互いの長所を取り入れ短所を補う「採長補短」を以って、最良の味を創ることが肝要である。
2、喰い味であること
「京の持ち味、浪速の喰い味」の格言どおり、大阪の味は素材がほんらいもっている特有の味を生かしながらも、更に奥行きのある深味を付けることにある。それは、あくまでも自然素材だからこそ、成せることである。
3、日本土産の食材を用いること
新鮮な魚介や野菜、山野草、海藻など、生産物の元はたとえ外国種であっても、日本の気候風土になじみ、日本の食材と言えるものを用いること。
4、出汁は昆布を主とすること
日本の昆布の評価は大阪が基準になっていたと言われ、最も早く料理に昆布を使った合わせ出汁を取り入れたとされる。持ち味を生かし、より深味を付けられるのは、昆布の味が最良であるからこそ。料理の主材料によって、昆布と鰹節、昆布と鯖節、昆布と煮干鰯などを使い分けること。
5、大阪人特有の始末と
大阪人持ち前の創意工夫によって、古くは東洋から、最近では西洋の食文化から、時の流れや嗜好を機敏に捉え、温故知新を踏まえ、巧みに取り入れ、それを日本料理に落とし込むこと。

大阪は『食い倒れ』、京都は『着倒れ』、神戸は『履き倒れ』と、子供心に聞いた記憶があります。
かつては流通の中心であった大阪が、地の利をいかして美味しい料理を作り、『食い倒れ』としたものが、全国的に流通がよくなるなかで、“観光”というハレの場が多い、京都に料理の中心が移っということかもしれない。
また、食材の新鮮さから“地産地消”料理も見直されていることにもつながるのだろう。
でも、大阪の『食い倒れ』の真髄に触れる『大阪料理会』のメッセージに、共感するものを感じる。

http://www.amakaratecho.jp/osaka-food/