芸術祭の公式ウェブサイトは7月から10月で135カ国から98万アクセスあったそうだ。
国内からのアクセスが97%で、内訳は、高松12.2%、大阪9.5%、東京9.1%、何故か渋谷区8.0%、新宿7.3%があり、都市部に集中している。海外からは約3万アクセスの3%となっている。
モバイルメディアは全体の6.9%と、旅行前にPCで検索されるものが多かったようだ。
また、来場者向けに交通情報や混雑情報を提供する「瀬戸内アートナビ」もあり、こちらは7月から10月で約106万アクセスあり、モバイル環境からのアクセスが8割だったという。現地では移動手段が少ないためモバイルによる需要が多かったようだ。
Twitterアカウントのホロワー数も、9月以降1万を超えていたという。

来場者の情報源は、雑誌が31.7%、テレビが21.1%、口コミ20.7%、新聞18.8%、インターネットは18.8%となっている。
情報は、雑誌やテレビから一次情報として得るも、参加動機を起こしたのは、インターネットを含むクチコミの効果が大きかったと分析されていた。

「こえび隊」というボランティも活躍したようだ。11/1時点の登録者は2606人だという。39都道府県から参加があり、運営に関わった実働人員は約700人、延べ約5000人。これに作品制作を含めると実働800人、延べ8500人ほどが参加したという。内訳は男性742人(28.5%)、女性1,864人(71.5%)、平均年齢は30.3歳。ボランティアも、参加者同様に若い女性が多数を占めることになる。

収支状況は、20年度から22年度までの合計で、収入は、予算652百万円に対し、会期終了時は793百万円。支出は、予算652百万円に対し、会期終了時689百万円、収支差額104百万円である。

来場者の滞在状況は、日帰り51.3%、1泊20.2%、2泊17.6%、3泊以上10.9%と、宿泊が多いのが目立つ。高松に宿泊した人が55.5%あり、栗林公園や琴平などに訪れた観光客も多いという。ただ、アンケート結果を見ると、芸術祭への参加のみが3/4という結果となり、通常の観光とは異なる結果となっている。

芸術祭への島民の評価は、「芸術祭は地域活性化に役立ったか」の質問に、役立ったとの回答が82.4%あり、「若い人と話ができ、生き生きとしていた」等の好意的な評価が多い一方、島の道路は生活道路であるのに対して、観光客の車で混雑したなどの課題もあったようだ。

芸術祭は行政の負担金も大きく、それだけのベネフィットがあるのかと疑問視されることが多いが、『瀬戸内国際芸術祭2010』は、チケット収入、寄付金も多かったようで、波及効果も大きいことを考えると大成功といえる。

『瀬戸内国際芸術祭2010』総括報告(H22年12月20日)
http://setouchi-artfest.jp/images/uploads/news/report_20101220.pdf