(5月9日)参加者84名

訪日外国人の急増で、外国語ができる従業員が求められています。そのようななか留学生の人材育成、雇用に力を入れてこられたエール学園の取り組みをお聞きしました。

冒頭、「何の対策も打たなければ2030年には1300万人の生産人口が減り、GDPも下降していく」、対策は「女性、高齢者、外国人の活用」との問題提起から始まりました。
世界の留学生は増加しており、日本での受け入れも徐々に増加していますが、先進国のなか決して多いとはいえません。
日本にいる外国人人口は2014年で212万人、留学ビザは18・4万人。2030年に留学生を30万人にする計画があり、2015年の入国管理局のデータでは24万人が渡日しているといいます。

専門学校の留学生は、大学入学のための日本語学習と、手に職をつけるため学ぶ学生がいます。職業教育としての留学生は、IT、自動車整備、デザイン、観光、建築などの分野で、海外の大学と提携することができます。日本で就労できない分野は、調理師(2年前から和食が2年間のみ許可)、美容師、医療技師などの分野があり、今後、政府に働きかけたいといわれていました。
エール学園には留学生が1100名在籍しており、中国40%、ベトナム35%、ネパール、台湾、韓国などその他の国25%となっており、なかでもベトナムの留学生が急増しています。

20年前、留学生は生活習慣や文化の違いにより地域から疎外されていました。15年前ぐらいから地域清掃に取り組むようになり、地域の人が心を開くようになったといいます。

エール学園では「おもてなしプロジェクト」として、留学生が外国人の感性を活かした地域貢献に取り組んでいます。
商談会の通訳や覆面調査、観光プロモーションやファムトリップのお手伝いなどがあります。3ヶ月以上の長期インターンシップもあり、関西空港観光案内所などはとても忙しいそうです。
(インターンシップは授業時間に実施するので無償で、交通費の支給だけお願いしているとのお話でした)
留学生の観光への貢献は、外国人の目線の気付き、提案・アドバイスも貴重ですが、何といっても母国語でSNSに発信してくれることです。地方創生の取り組みも始まっているといいます。
そして地場産品などの輸出のお手伝いもしたいともいいます。
これらの取り組みは、エール学園だけで取り組むことは不可能であり、産学官連携で取り組む必要があります。そのため「国際人財活用ネットワーク交流会」を開催されており、前回は493名も参加したといい、次回は6月23日だそうです。
http://www.ehle.ac.jp/blog/archives/1785

「国際人財活用ネットワーク交流会」の動画
https://www.youtube.com/watch?v=NBVmtpAhLbU

留学生の就職率は全国平均で30%ですが、エール学園はインターンシップの効果もあり100%を達成しているといいます。

エール学園における留学生のボランティア活動やインターンシップの取り組みは本当に素晴らしい。
留学生にとっても日本文化を知りきっかけとなり、人生の良き教訓を学んでおられます。
それらの成果が、就職率100%につながっているのだと強く感じました。