東京トラベル、在宅高齢者向けオンライン観光サービス
(日本経済新聞 2022年5月31日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF284KP0Y2A420C2000000/?unlock=1

【ホッシーのつぶやき】
私も、少しづつ体力の衰えを感じ始めていますが、まだ体の自由が効かなくなるまではリアル旅行を楽しみたいと思います。旅行に行きたくても行けない介護施設や在宅高齢者向けのオンラインツアーは、切り口として面白いですね。
介護施設と契約できれば、個人をターゲットにするより効率も良さそうです。
東京の企業だが、6月から大阪府と連携し、50歳以上の約1000人にオンライン観光を体験してもらう実証実験を行い、12月にもサービス開始予定というのも親近感を感じます。

【 内 容 】

オンライン観光を手掛ける東京トラベルパートナーズ(東京・渋谷)は在宅の高齢者向けにオンライン観光を配信するサービスを2022年内に始める。これまで介護施設向けに展開してきたが、新型コロナウイルス禍が続くなか、幅広い高齢者に潜在的な需要があるとみて販路を開拓する。オンライン観光は旅行代理店大手がすでに取り組んでいるが、高齢者向けサービスは少なく、知名度を上げて収益化する。

函館や浅草などの「旅行」を配信
6月から大阪府と連携し、府内の50歳以上の約1000人にオンライン観光を体験してもらう実証実験を行う予定だ。12月にもサービスを始める予定で、毎日1本以上を生配信する。観光地は函館や浅草など国内が対象で、料金は月額1500円程度を想定している。

同社はこれまで介護施設向けにオンライン観光を生配信してきた。「施設でのレクリエーションの時間を活用できる」(同社の栗原茂行社長)ため、引き合いは強く、月に5~6本を配信してきた。

一方、介護施設向けでは平日の午後2~3時など配信できる時間帯が限られ、効率よく開催することが難しかった。在宅の高齢者向けであればさまざまな時間帯に番組を設定することができ、配信本数を増やすなどより多くの視聴者獲得につながる。

ライブ配信やアーカイブも楽しめるようにする
1回の配信のためには撮影や人件費など多くの経費がかかる。在宅の高齢者まで販路を広げることができれば、撮影終了後に次の観光地に移動し、別のオンライン観光を配信することも可能になる。

栗原社長は今期の売上高を約2億円(22年12月期)と見込むが、市場規模の拡大を踏まえ、25年ごろをめどに10億円への増収も可能とみる。

在宅向けに販路を拡大するため、東京トラベルパートナーズはスタートアップの支援団体である関西イノベーションセンター(大阪市)と連携している。実証実験に向けて在阪企業を仲介してもらうなど連携を進めてきた。

オンライン観光ではツアーガイドとチャット上で質問をやり取りすることもできる。文字入力に慣れない高齢者のために、音声入力ができる機器を住友電気工業が開発した。配信はテレビやタブレット端末を想定している。たとえば、CATVの加入者が追加料金を支払えばいつでもオンライン観光を見ることができるようにするなど、事前予約が不要でいつでも楽しめるようにしたい考えだ。

大手旅行代理店もオンライン観光を強化しているが、操作に慣れていない高齢者はツアーの進行に追いつけないケースもある。栗原社長は「高齢者向けに特化し、観光のバリアフリー化を目指す」と話している。