そごう・西武、街案内の新事業 地域との連携に活路
(朝日新聞デジタル 2019年8月16日)
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西武池袋本店が、地域の店舗を案内する「タウンアテンド」事業に乗り出す。
価格4千~1万円。所要時間は3~4時間で、「美にこだわった1日を過ごす」「最新&隠れスポットに触れて楽しむ」「人気店の看板メニューを満喫する」といったテーマで紹介し好評だったという。
アクティビティの販売に百貨店が名乗りを上げたのに驚くが、原価にそれぞれが経費を上乗せすると価格が高騰する。適正価格の模索が始まるのだろう。

【ポイント】
そごう・西武は、接客の強みを生かして、店のある地域を案内する「タウンアテンド」事業に乗り出す。百貨店が伸び悩むなか、地元の商店街などとの連携を強化して、店に来る客数を増やすことにつなげる。訪日外国人と日本人の両方を対象として、案内料をとって展開する。

6月から、旗艦店の西武池袋本店(東京都豊島区)周辺の地域を対象に、価格4千~1万円で試験的に始めたところ、訪日中国人の個人客計9人が利用した。
所要時間は3~4時間で、「美にこだわった1日を過ごす」「最新&隠れスポットに触れて楽しむ」「人気店の看板メニューを満喫する」といったテーマで各地を紹介し、好評だったという。
料金や実施店舗など詳細を詰めて、9月にも本格的に事業を開始する。現在は、中国人向けのSNSでしか宣伝していないが、今後は店頭でPRなどもしていく考えだ。

全国の百貨店売上高は10兆円弱あった1991年をピークに低迷が続き、現在は5兆8870億円にまで縮んでいる。百貨店業のてこ入れは各社の課題となっており、そごう・西武は今回のような新事業を強化する戦略だ。

「百貨店はもともと街の機能の一つだった。地元の店と一体となって、地域の魅力を高め、地域に来てもらったり、住んでもらったりする人口を増やしていけば、集客にもつながる」としている。

そごう・西武は、池袋本店や横浜店など首都圏を中心に全国に15店を展開している。