訪日リバウンド市場に備える多国籍ライブセミナー
アメリカ(サンフランシスコを中心に)した新型コロナと観光の状況!
((株)グローバル・デイリー 2020年9月10日)

ゲスト:吉田 猛 (NEW PEOPLE,inc)
ホリプロ、外務省を経て、サンフランシスコの総合エンターテイメント企業NEW PEOPLE,incへ。
「j-pop SUMMIT」の総合プロヂューサーとして、米国最大の日本カルチャー発信フェスを育てた人物。

【ポイント】
アメリカの新型コロナ感染拡大も大変なようだ。
サンフランシスコも感染拡大の中にあり、その中で「Black Lives Matter」が起き、今は歴史的山火事で被害が拡大している。自粛のため、外食産業はテイクアウトかアウトドアのみで、倒産も拡大している。
州知事が緩和を発表しても、ほとんどの市は州の決定に従わないといい、混乱もある。
観光は、航空機移動を中心に冷え込み、海外旅行は皆無、国内旅行・出張も90%減といい、他国が米国の入国を許可するのは最後になるという予測もあり、自家用車でアクセス可能な、自然・アウトドア系の旅行が人気だという。

【 概 要 】
アメリカは48州あり広い国で、別々の国の感覚なので、私がいるサンフランシスコ中心の話になります。
サンフランシスコは「観光 + IT/Tech + カルチャー」の街です。

新型コロナの状況
そもそも外食する人は少なく、外食産業はテイクアウトかアウトドアのみとなっている。
営業中の店舗は数えるほどで、なおも自粛が続いている。
解放している数少ない公園は、6フィートのサークルが示されており、その中でくつろぐ。
子供の教育に大打撃。(家庭にWi-FiがないのでフリーWi-Fiを屋外で利用しているような状況もある)
州知事は緩和を発表したが、ほとんどの市は州の決定に従わない方針を発表している。
市民は、州の決定より、市の決定に従う。

2月:日本のダイヤモンドプリンセス号の感染をNEWSで見て「日本は大変だ」と対岸の火事だった。
3月:外出禁止令
5月:少し緩和した時期に、「Black Lives Matter」が起きて、夜間外出禁止になった。
6月:感染者数拡大、自粛
7月:より一層感染者数拡大、自粛
8月:より一層感染者数拡大、自粛、歴史的山火事
9月:より一層感染者数拡大、自粛、歴史的山火事

5月に「Black Lives Matter」の問題となった、黒人男性の死亡事件が発生。

人種差別の運動の結果、「鬱憤を晴らす!」 暴動で1回のガラスが割られたので、閉鎖されている。

8月、山火事により、東京都4個分の面積が消失。今なお消えていない。
街中においても、煙のため昼間でも太陽が届かず、ずっと夕方のような状況。

止まらない破産・倒産
休業中のレストランの6割がこのまま閉店という米イエルプの調査結果もある。

休業中のリアルイベントは、早くて2021年の夏まで開催できない。
イベント主催者は2021年の6月までのリアルイベントのキャンセルを発表した。
リアルイベントは世界的に中止!

舞台はオンラインへ! 
・リアルの価値をVRに代替えしようとするのではなく、VRだからこそ発揮できる強みに注目。
・リアルを超える3Dオンラインの世界が誕生している。
・その強みを、より魅力的に見せるという観点でアプローチし、リアルを超える。

(リアル)
・圧倒的な情報量(コンサートであれば、音、照明、映像)
・5感をフルに使った共感・熱狂
・一期一会感、偶発性
・リアルならではのインタラクション
・会場、装飾、演出での世界観

(VR)
・演出的にリアルでは不可能なことも可能
・視覚・聴覚が中心
・工夫次第では、一期一会感、偶発性
・オンラインならではのインタラクション
・マルチユースが可能、どんな世界観も可能

『観光』の状況

空の移動を中心に冷え込んでいる。
・海外旅行は皆無
・国内旅行・出張も90%減
・西海岸から東海岸(NY等)への移動は、到着後14日間待機
・米国では、日本へのビザは、ビジネスもほとんど停止
・米国旅行業界にとって、日本のホテルや観光スポットが行っているコロナ対策は有益な情報
 (アメリカは、そもそも多くのホテルや観光スポットが営業すらしていない)
・東京オリンピックの報道は、米国内でほとんど見ない
・一番感染者の多い国として、入国が許可される国の中で米国が最後になるだろうという予測がある
  (現在、米国人は日本に入国できない)

人に接触しない旅行が人気
・国内や地域の市場に焦点
・自家用車でアクセス可能な自然系旅行が人気している
・海外旅行へのモチベーションは失われたわけではない
・自然・アウトドア系が人気。コロナ中も、コロナ後も続く
・移動の基本が、最小ユニットのファミリー

米国内旅行の需要喚起キャンペーンが開始された。
Airbnbがオンライン体験に注力。
オンラインキャンプも登場 (オンラインでキャンプのやり方を学ぶ)
コロナ後のイベント誘致や再会をPRしている
ロケ誘致も力を入れている。

コロナに対する保険は出ない。
暴動にも保険は出ない。

米国では「ストーリーテリング」というジャンルが発展していて、思考回路が違う。アメリカ向け映像はストーリー思考を重視し、日本人向けには論理的思考を重視している。
米国の思考回路は、WHY→HOW→WHAT
日本の思考回路は、WHAT→HOW→WHY