『関西クルージングシンポ』の講演録②をお届けいたします。
今、世界的に大型クルーズ船ツアーが増加しており、クルーズ船も大型化しているそうです。
1960年代末: 15,000〜20,000総トン
1980年代初: 40,000総トン
1980年代末: 70,000総トン
1990年代後:100,000総トン
2000年代初:140,000総トン( 600億円)
2009年 :220,000総トン(1300億円)
大型化することにより、クルーズ船が低廉化し、船旅の楽しみの多様化に対応できる点があげられています。
また、クルーズ船の大型化にあわせて、世界中のクルーズターミナルが大型化しています。
天津では、2010年に2バース(-11.5m、延長625m)のものが、全面共用時に6バース、延長1600mに整備され、上海では、2008年に4バース(-9〜13m、延長1127m)、2011年に2バース(-16m、延長774m)も整備されています。香港は1966年に2バース(-10m、延長701m)だったものが、2バース(-12〜13m、延長850m)を2014年に供用を開始します。釜山も、2007年に1バース(-11m、延長360m)だったものを、2015年に1バース(-12〜16m、延長420m、690m)と拡張されます。
日本は、博多で1バース(-10m、延長270m)、長崎で2009年に1バース(-12m、延長360m)、那覇で2009年に1バース(-10m、延長340m)と、水深、総延長ともに世界の趨勢と比較すると貧弱なようです。
日本へのクルーズ船の寄港実績も2007年803回だったものが2012年には1105回に増えています。
日本には、クルーズ船が寄港する港湾施設が97あるといいます。水深が深くなかったり、規模が小さかったりする問題もありますが、寄港地から世界遺産にアクセスしやすいこと、富士山を初めとする動的景観に優れている点もあります。
クルーズ船の大型化に対応する港湾施設の整備を進める必要がありますが、日本中の港湾施設を巡回するクルーズは日本の特徴になるかもしれません。
関西には海外からクルーズ船が寄港する港湾は、神戸、大阪、舞鶴の3カ所と言われていました。そして近い将来、この3カ所の港湾施設は満杯になるとのお話でした。
港湾施設の建設には時間がかかります。
早目に世界水準の港湾施設の整備も検討してもらいたいものです。