カルマさんの講演概要(講演スライドより)
(第54回「観光のひろば」2024年7月29日)
カルマ・ギャルゼンさんは、日本、アメリカ、ヨーロッパなど各国の旅行者をヒマラヤ国際山岳ガイドとして30年間案内し、現在も毎年トレッキングツアーを企画、催行しており、エヴェレスト地方ファプレ村出身のシェルパ民族です。1998年に日本人の妻あきこさんと結婚し、奈良県御所市古瀬に住まわれ、日本在住26年になるとのお話でした。
また奈良の自然ネイチャーガイドとして大峰山のトレッキングや若草山原生林の案内などもされています。
本業は「樹木の特殊伐採」で、「カルマフォレストケア」を経営されています。
TBSの「がっちりマンデー」やBS JAPANの「ワタシが日本に住む理由」などテレビやマスコミの取材も多いといいます。
林業従事者は昭和55年14.6万人から平成27年に4.5万人に減少し、高齢化が進んでいると話されていました。重機が入れない場所でも、高さ30mでも安全に伐採できるといい、国際ロープアクセス資格を取得しておられます。
異常気象で2019年の被害総額は2兆1500億円と言い、9万棟を超える住宅に被害が及んでいると言います。
写真のような倒木で建物が損壊する被害が増えているので、倒木の可能性がある高木は早めに対策するようにと話されました。
また、国際協力NGOコーディネータとして、僻地の植林、水道、小学校建設などに力を注いでおられ、2015年4月のネパール大地震では「カルマプロジェクト」を設立して、僻地の村人へ直接支援物資を手渡すという活動も行っておられます。
最後に、ネパールのトレッキングの醍醐味について話をされて、ネパールで歩く道は、普通に人々が行き交う生活路、1時間も歩けば集落があり、畑作、家畜の飼育、交易をしながら、山の中で暮らす人々の姿があり、シェルパ族の文化に触れながら村々を訪ね歩くところにあると語っておられました。
カルマさん独自の体験に基づく穴場ルートを案内されているといい、日本人のリピーターも多いとのことでした。