「ポストコロナの観光の最新情報」を、整理してお伝えしました。
(『観光のひろば』ZOOM 2020年6月10日)

 
ポストコロナの観光については、「旅行への意向」や「旅行再開の時期」に関するアンケートや調査報告が多数出ていますが、日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)の見解によると
◎外務省がベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドからの入国制限を先行的に緩和する検討に入るなどの報道が始まっており、「今年10月頃から動き出すのではないか」との見通しを示した。
◎ 「ビジネス需要、留学生、観光(レジャー)の順になる」とし、3密回避から「FIT(個人旅行)や小さなグループから戻り、パッケージツアーや団体は来年以降」との見方を示した。
◎国際航空運送協会(IATA)が国際線の供給量が2019年レベルに戻るのは2022年以降と予測していることなどから、「コロナ以前の需要に回復するのは3年ほどかかる」としました。
https://www.travelvoice.jp/20200609-146345

【講演内容】
6月8日、世界の新型コロナ感染者数は700万人を超え、死者は40万人になりました。
また6月8日、世界で新たに確認された感染者は13万6000人以上と、これまでで最も多い数となり、世界では、まだまだ感染拡大が続いている状況です。

日本では、5月25日に非常事態宣言が解除され、外出自粛の目安も発表されました。
・今日の段階は、府県内で徐々に観光を振興するとあり、6月19日までは、府県を越える不要不急の外出を自粛する。
・7月10日からは、府県を越える観光も、徐々に振興するとあり、8月1日からは、観光振興に舵をきるようで、政府は「GoToキャンペーン」を始めるといいます。

トリップアドバイザーによる、日本、アメリカ、イギリス、イタリア、オーストラリア、シンガポールの6カ国の、『ポストコロナの旅行意向の調査』によると、世界の旅行者の6割以上が「旅行を重要視」しているといいます。日本人は、国内旅行で「6ヶ月以内に旅行する意向」が34%で、「1年以内に旅行する意向」が61%あるといいます。さすがに、海外旅行は「1年以上先」が87%になるといいます。

“日本好き”コミュニティサイト『FUN! JAPAN』における、ポストコロナの訪日意向は早く、台湾と香港が「秋」で40%、それ以外の7カ国は「春」が最も高くなっています。また別の調査では、中国人96%、台湾人89%が、訪日旅行の意向を持っているといいます。

日本を含む多くの国で、渡航者の14日間の強制隔離や入国拒否が続いており、海外旅行の緩和は厳しい局面が続くようです。
ヨーロッパでは、ヨーロッパ人の旅行に限り、6月中旬にも国境を開放するといいますが、国境を越える移動には慎重で、「社会的、経済的に結びつきの強い国同士がビジネス需要の移動を認める」といい、観光も同じ方向性があるようです。また、入国するにも、新型コロナウイルスに感染していない証明書の所持することを条件に認める傾向にあります。
互いが安全だと認めあった国同士での観光「トラベル・バブル」も検討が進んでおり、オーストラリアとニュージーランドにおいて検討中で、欧州でも検討が進んでいます。
しかし、海外旅行はもうしばらく後になるという意見が多く、当面は、近場の観光が中心になるとの意見が多いようです!

日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)の見解によると
◎外務省がベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドからの入国制限を先行的に緩和する検討に入るなど、海外との往来再開に向けた動きが報道され始めていることから、「今年10月頃から動き出すのではないか」との見通しを示した。
◎ 「第一段階としてビジネス需要が戻り、次に留学生、そして観光(レジャー)の順になる」とし、3密回避の旅行形態が望まれることから、「FIT(個人旅行)や小さなグループから戻り、パッケージツアーや団体は来年以降」との見方を示した。
◎国際航空運送協会(IATA)が国際線の供給量が2019年レベルに戻るのは2022年以降と予測していることなどから、「コロナ以前の需要に回復するのは3年ほどかかる」とした。

いろいろ旅行意向のアンケート調査や需要予測が発表されていますが、OTOAの見解が、当面、正解に最も近いように思います。