世界でバーチャル体験への関心が急拡大、ミレニアル世代の約半数が旅行購入に関心
(トラベルボイス 2022年6月8日)
https://www.travelvoice.jp/20220608-151218

【ホッシーのつぶやき】
世界16カ国の消費者1万1000人による調査によると、バーチャルグッズ購入やバーチャル空間体験をしたことがある人は64%、メタバースでの買い物に興味がある人は83%にものぼるという。
バーチャルの世界は今後も伸びて行くのだろうが、観光では日体験を補完するものに過ぎず、リアルな体験に勝ることはない。とはいえバーチャルツアーでなければ体験できないものもあるので、バーチャルの世界は侮れない!

【 内 容 】
リテール業や消費財、旅行業などの広い分野で、リアルとバーチャルの2つの世界をうまく融合する新機能や体験サービスへの投資が増えている。同時に、仮想現実テクノロジーを活用し、顧客との関係強化から売上増にまで役立つデジタル世界を構築する動きも加速している――。アクセンチュアがこのほど実施した調査から、こうした傾向が明らかになった。
アクセンチュアでは、パンデミックが勃発した2020年3月から同調査を開始しており、今回の結果は、2022年2月に実施した内容をまとめたもの。調査対象者は、北南米、欧州、アジアなど世界16カ国の消費者1万1000人。

ミレニアル世代の約半数が、バーチャル空間での旅行に関心
同調査によると、すでにバーチャルグッズ購入やバーチャル空間での体験を経験したことがある人は全体の64%と3分の2を占めたほか、メタバースでの買い物に興味があると答えた人は同83%となった。
実在するリアル商品に関するアドバイスをもらったり、支払いをしたり、商品を見て回るために、バーチャル空間内の店舗にアクセスした経験がある人は42%、今後一年以内にやってみたいと答えた人は56%。ミレニアル世代に限ると、この数字はそれぞれ51%と61%だった。

旅行についての質問では、(バーチャル空間で)市内観光ツアーやホテル宿泊を購入したことがある、または購入することに関心がある、と答えた人が50%と半分を占めた。この数字は、ミレニアル世代に限ると同55%だったが、ベビーブーマーでは29%にとどまった。

娯楽関係では、バーチャル世界で開催されるコンサートやショー、スポーツ・イベントの入場券をすでに購入している、または購入することに関心があると答えた人は、全体の54%だった。

アクセンチュアで旅行産業グループのグローバル・ヘッド兼シニア・マネジングディレクターを務めるエミリー・ワイス氏は、「まず、メタバースは旅行体験の替わりにはならないという認識が重要だ。むしろ実体験を補完し、より充実させるためのもの。将来的には、旅行業のエコシステムにおいて不可欠になる可能性もある」とコメントしている。

例えば、旅行に出発する前に、バーチャル空間のファーストクラス座席に座ってみたり、空港のラウンジやホテル客室を歩き回ることができれば、消費者の興味関心を高めることができる。現地では立ち入り禁止の自然保護区内を事前にバーチャル訪問したり、有名な遺跡を訪れる前に、往時の賑わいを疑似体験したり。メタバースを活用することで、顧客の旅行体験は、いっそう意義深く、期待以上のものにできるとの考えだ。

バーチャル商品やバーチャル空間を手掛けることで売上増にもなりそうだ。同調査によると、「アバターまたは自分用のバーチャル・ファッション商品(デジタル服やアクセサリーなど)を購入したことがある」人は全体の39%、同様にバーチャル・ルック商品(メークアップなど)の購入経験がある人は38%、VRやAR空間で、健康やDIYに関する相談会に参加したことがある人は39%だった。

9割が「デジタル空間への移行はさらに加速」と予測
一方、同社が実施した別の調査(Accenture Technology Vision2022:調査対象は消費者2万4000人、23業種の企業経営トップ4650人)では、消費者の55%以上が、「生活も生計を立てる手段も、ますますデジタル空間への移行が進んで行く」との予測に同意。こうしたなか、リテール業の経営幹部では、回答者の90%が、バーチャル世界と現実世界の境界線を取り払い、シームレスに往来できるようにした企業が勝ち組になる、との見方を示した。
またメタバースについて、企業経営トップの72%は「自社にポジティブな影響をもたらす」、同45%は「次の時代へのブレイクスルーであり、変革を起こすもの」と答えた。
同社リテール業グループのグローバル・ヘッド兼シニア・マネジングディレクター、ジル・スタンディッシュ氏は「特に消費者対応において、メタバースの時代はすでに動き出しており、導入の可否ではなく、どう活用するかを決める段階にある」と指摘。既存の概念に捕らわれず、顧客との関係強化につながる新たなチャネルとして発展させるための試行錯誤が必要としている。