世界の海外旅行者数が上半期で53%減、損失額は48兆円に、日本など北東アジアが最も深刻な打撃
(トラベルボイス 2020年9月17日)
https://www.travelvoice.jp/20200917-147090

【ポイント】
世界観光機関によると、2020年上半期の世界の海外旅行者数は前年同期比で53%の約4億4000万人減で、損失は約4600億ドル(約48兆2000億円)にのぼったという。
アジア太平洋が最も深刻で、海外旅行者数は72%減少。特に北東アジアは83%減となった。
2020年の世界の海外旅行市場シナリオは70%減。需要が2019年レベルの回復には、2年半から4年はかかるという。

【 概 要 】
世界観光機関(UNWTO)は、2020年上半期の世界の海外旅行者数は前年同期比で53%、約4億4000万人減少し、海外旅行市場の損失は約4600億ドル(約48兆2000億円)にのぼったと発表した。
国際観光収入の損失は2009年の金融危機の約5倍になる。

最も深刻な打撃を受けたのはアジア太平洋で、海外旅行者数は72%の減少。特に北東アジアは83%減と壊滅的な状況になった。
そのほかヨーロッパでは66%、アメリカは55%、アフリカと中東は55%、それぞれ減少した。

UNWTOは今年5月、2020年の世界の海外旅行市場について、58%減、70%減、78%減の3つのシナリオを想定した。8月までの状況について、旅行規制を再度強化している国も出てきたため、シナリオ2の70%減に近づいているとの認識を示している。

このシナリオは2021年も引き継がれる。
UNWTOでは、旅行規制の段階的な解除、ワクチン開発や治療法の確立、旅行者の旅行に対する信頼の回復が進んでも、需要が2019年レベルに回復するのは今後2年半から4年はかかると見ている。