世界の海外旅行者数が14億人突破、2年前倒しで予測を達成、2030年に18億人に拡大へ ―世界観光統計(2018年推計)
(トラベルボイス 2019年1月23日)
https://www.travelvoice.jp/20190123-125066

2018年の海外旅行者総数は6%増で推定14億人。
中東(10%増)、アフリカ(7%増)、アジアとヨーロッパ(ともに6%増)、アメリカ(3%増)だった。
しかし、2019年の成長率は3〜4%増加と伸び率が鈍化すると予想されるという。
この2年間が大きく増加したもので、それまでは平均して4%増だったので、平均に戻っただけといえる。
2030年には18億人に拡大すると予測されている。

【ポイント】
UNWTO(国連世界観光機関)の世界観光統計によると、2018年の海外旅行者総数(到着ベース、一泊以上の旅行者)は6%増で推定14億人。
2010年の長期予測は14億人到達が2020年になると見込まれていたが、2年前倒しで達成。世界経済の成長率3.7%を大きく上回る伸びとなった。

海外旅行市場の拡大要因について、世界経済が総じて成長傾向にあるうえ、テクノロジー進歩によって登場した新たなビジネスモデル、ビザ緩和、航空利用による旅行の浸透などが挙げられる。
今後、2030年には18億人に拡大するとの予測も示している。
中東(10%増)、アフリカ(7%増)、アジアとヨーロッパ(ともに6%増)、アメリカ(3%増)

ヨーロッパへの旅行者数は7億1300万人に達し、南ヨーロッパと地中海ヨーロッパ(7%増)、中央ヨーロッパと東ヨーロッパ(6%増)。北ヨーロッパはイギリスが低調だったため横ばいだった。
アジア太平洋地域は6%増の3億4300万人。東南アジアへの旅行者数が7%増加、北東アジアが6%増、南アジアが5%増と続く。オセアニアは3%増に留まった。
アメリカは2018年に2億1700万人の観光客を迎えたものの、北アメリカ(4%増)と、南アメリカ(3%増)、中央アメリカとカリブ海(ともに2%減)。後者は、2017年9月のハリケーン・イルマとハリケーン・マリアの影響。
アフリカは7%増(北アフリカが1.0%増、サハラ以南のが6%増)となり推定6700万人。中東は10%増の6400万人と堅調。

2019年の成長率は3〜4%増加と伸び率が鈍化すると予想されている。
その背景は、燃料価格の安定によって飛行機の旅行がさらに浸透、多くの地域で便の接続性が向上。インドやロシアなど新興市場からの海外旅行が好調となる一方で、世界経済の減速やBrexitに起因する不透明感、地政学や貿易緊張が「様子見」ムードを広める恐れもあるとみている。