経済協力開発機構(OECD)が各国の留学生の受け入れ状況を発表している。
日本の世界から留学生の受け入れ状況は13万3千人で3.6%、世界の8番目という。

世界の留学生の数は、1990年に130万人、2000年に210万人、2009年に370万人と、20年間で約3倍に増加している。
日本の留学生の受け入れ数は、1990年に4.1万人(3.2%)、2000年に6.4万人(3.6%)、2005年に4.1万人(3.2%)、2009年に12.2万人(4.1%)と、20年前と比べると同じように3倍に増加しているが、主要国と比べると少ない。(米国72万3千人、英国41万6千人、オーストラリア31万6千人、フランス26万6千人、中国23万8千人) また、日本に来る留学生は、中国、韓国、台湾、ベトナムなどのアジア諸国(93%)だ。

日本の大学で使用する言語はほとんど日本語だ。世界の大学では母国語以外に英語での授業も多いと聞く。英語の授業を増やさなければ欧米系を含めた均衡ある留学生の受け入れにつながらない。アジア系留学生も大切にしなければならないが、グローバル人材を育てるためには、英語の授業数を増やさなければならない。

早稲田大学は、20年後に全学生の2割1万人を外国から呼ぶといい、国際寮は、留学生と日本人学生が半々で入居し、生活を共にしながら交流する計画という。

また、日本は外国人留学生をうけいれるだけで、人材活用には至っていない。
日本で学んだ留学生で、日本で就職するため在留資格を得た人は、12年度1万969人で約8%だという。ほとんどの留学生が日本で学んで本国に帰っている。日本で外国人を雇用する企業は稀だが、世界のなかでは決して稀な事例ではない。

日本で学び、日本のファンになって、本国に帰ってもらうのも戦略だ。しかし、日本で学び、日本で就職して、仕事を通じて本国との架け橋になる人材を確保することも重要だ。就職先が確保できない国は、留学生を増加させるのも難しいだろう。

観光においても、外国人を受け入れたがらないホテルが多いという。
外国人の受け入れに消極的である限り、外国人観光客は増えないだろう。
外国人観光客を増やすためにも、留学生の処遇が大切だ。留学生を増やし、日本ファンにすることが、外国人観光客を増やす王道になると思う。

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2012/08/30/1325118_3_1.pdf