国際航空運送協会、世界の航空再開へ5原則を発表、免疫パスポートなどテクノロジーで開発を
(トラベルボイス 2020年5月25日)
https://www.travelvoice.jp/20200525-146224

国際航空運送協会は、これまでも速やかに航空会社の感染防止策を提言してきた。
航空機は、最新の換気システムが整っている機内での感染リスクは低いとも提言し、ソーシャル・ディスタンス確保のために中間席を空ける必要はないと、感染防止と運行のバランスも模索している。
また、2050年までに純炭素排出量を2005年レベルの半分に削減するという目標達成を目指すともいう。
科学的根拠をもとに、運行再開、経済活動の再始動でなければならない。

【ポイント】
国際航空運送協会(IATA)は、新型コロナウイルスによる航空業界の再開に向けた5原則を発表した。

IATA事務局長は「航空輸送の再開は非常に重要なこと。今回発表された原則を遵守しながら、世界の航空会社は、責任を持って、安全で持続可能な運航再開に向けて動くことになる」とコメントした。

1.常に安全とセキュリティを最優先
効率的な運用を可能にしつつ、乗客と乗務員の安全を確保する科学的根拠に基づくバイオセキュリティ体制を構築する。
航空は、COVID-19を含む伝染病が拡大する源ではないことを保証する。

2.危機の状況と科学的根拠の変化に応じた柔軟な対応
COVID-19検査や免疫パスポートなど、信頼性が高く、汎用性があり、効率的な解決策に向けて、新しいテクノロジーを活用していく。
将来、国境閉鎖や移動制限が行われる場合、それを管理するための予測可能で効果的な方法を開発する。
対策については、科学的根拠に基づき、経済的に持続可能で、運用上実行可能であり、継続的に見直され、不要になった場合には、解除あるいは代替できるものてあることを確認する。

3.経済回復の重要な推進力としての航空
景気回復に向けた需要に応えるため、できるだけ迅速に供給能力を再整備する。
パンデミック後、手頃な価格で航空輸送を利用できるようにする。

4.環境目標の達成に向けた取り組み
2050年までに純炭素排出量を2005年レベルの半分に削減するという長期目標の達成を目指す。
国際航空のためのカーボンオフセット・削減スキーム(CORSIA)を実行に移す。

5.各国政府が相互に承認したグローバル基準に従って運航
国際民間航空機関(ICAO)および世界保健機関(WHO)との強力なパートナーシップのもと、航空の効果的な再開に必要なグローバル基準を確立する。
合意された対策が各国政府によって相互承認され、効果的に実施されるようにする。

IATAは国際空港評議会(ACI)と共同で、航空業界再開に向けたロードマップ「Safely Restarting Aviation 」を策定。航空旅行全体に渡り、空港や機内での感染リスクを最小限に抑えるため、それぞれの場面での対策を提案し、各国政府に向けて新しい対策の導入を求めている。