急増する食物アレルギー アナフィラキシーショックに注意
(産経新聞 2023年1月16日)
https://www.sankei.com/article/20240116-ZUB7JBQQT5JD5H35HICC54H3AQ/
【ホッシーのつぶやき】
世界的にアレルギー疾患の人が増えています。ビーガンが増えているのもアレルギー疾患と関係があるのかもしれません。昔、アレルギー疾患はほとんど見かけませんでしたが、プラスティックなど化学製品やインスタント食品など自然界にないものが増えたからではないかと思います。
自然治癒するもの、治療で治癒するものもありますが、共存するためにもビーガン食が必要なのかもしれません。
【 内 容 】
お正月にはさまざまな具材を取りそろえたおせちや雑煮をいただきます。具材が多くなると気をつけたいのが食品に対するアレルギーです。今、世界的にアレルギー疾患の人が増えています。今世紀に入り日本でもアトピー性皮膚炎と食物アレルギーが急増しています。今回は食物アレルギーを取り上げます。
食物アレルギーは、食物によって引き起こされる特異的な免疫反応で、通常は食後2時間以内に発症します。多くの場合、皮膚が赤く腫れ、かゆくなったり、喉がいがいがしたりする程度で済みますが、時に「アナフィラキシーショック」といい、急激に血圧が下がり、意識がなくなり、まれに死亡することもあります。
食物アレルギーは幼・小児期に多く、7割は鶏卵や牛乳、小麦の成分に対するアレルギーです。これらの食物アレルギーはその成分を避ければ、成長とともに3歳ごろまでに半数、就学までに7~8割は耐性を獲得し、食べられるようになります。原因成分は食物に含まれるタンパク質なので、十分に加熱をすると食べられることもあります。
小児期に食物アレルギーを起こしやすい要因として、遺伝子や家族歴などの遺伝、アトピー性皮膚炎による皮膚の防御機能の喪失、日光やビタミンD不足が挙げられます。
最近では、アトピー性皮膚炎で荒れた肌から空中に漂う原因食品の成分が体内に入り、食物アレルギーを起こしているのではないかという説もあります。
治りにくい成人の症状
一方で、学童期以降の成人の食物アレルギーは、幼・小児と少し様相を異にします。まず、アレルギーを起こす食品が違い、約半数はリンゴやメロン、大豆など果物や野菜です。カニやエビなど甲殻類や魚、ナッツ類に対するアレルギーが増えています。加えて成人の食物アレルギーは治りにくいのです。
特殊な食物アレルギーも多くなっています。有名なのは小・中・高校生で見られる「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」です。小麦製品などアレルギー食物を食べても、運動だけしても症状は出ないのに、小麦製品を食べた直後(約2時間以内)に運動をすると呼吸困難やショックなどが出るアレルギー疾患です。発症は10~20代に多く、注意すべきは、運動だけでなく風邪をひいたり、痛み止めを飲んだりしても起こることです。
花粉症に関係する「花粉-食物アレルギー症候群」(口腔アレルギー症候群)と呼ばれるものもあります。花粉のアレルギー成分と食物に含まれる成分が似ているために起こるアレルギーです。
たとえば、シラカバにアレルギーを持っている人の中には、リンゴやサクランボを食べると、1時間以内に唇が腫れたり、口の中がかゆくなったりする人がいます。ブタクサ花粉症の人では、メロンやスイカを食べ鼻炎や喉がつまった感じを起こすことがあります。多くの場合、加熱処理すると食べられます。食べるのをやめると症状は治まります。
しかし、まれにアナフィラキシーを起こすので、注意が必要です。軽い症状には抗ヒスタミン剤を内服し原則、原因の除去が望ましいです。食物アレルギーを脱感作することも可能です。ただ、研究段階の治療で、専門医を受診されることをお勧めします。