城の天守、復元しやすく 史跡の魅力向上へ新基準(産経デジタルiZa 2020年4月19日)
https://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/200418/lif20041800170004-n1.html

国史跡など歴史的建造物を復元する際、意匠や構造が正確には分からなくても許可が得られやすい新基準が、文化審議会で決められたようだ。これまで、意匠や構造が正確に分からないと許可が出なかったが、史実に忠実な「復元」と区別して、「復元的整備」と定義するといい、エレベータなどバリアフリー対応も「復元的整備」とするという。名古屋市では早速、「名古屋城の木造復元」に向けた天守閣解体許可を文化庁に申請した。

【ポイント】文化審議会は17日、国史跡などで歴史的建造物を復元する際、本来の意匠や構造が正確には分からなくても文化庁の許可を得やすくする新基準を決めた。石垣しか残らない城跡での天守復元などを想定。史跡の魅力を高め観光資源としての活用につなげる狙い。

新基準では調査を尽くしても本来の意匠などを示す資料が見つからなかった場合を「復元的整備」と定義し、史実に忠実な従来の「復元」と区別。不明確な部分を明示し、来訪客にも分かるような形にするなら再建可能とした。資料は残っているがバリアフリー対応などのために一部を変更する場合も「復元的整備」とし、変更の説明を条件とした。

城の復元は北海道松前町の松前城(正式名称・福山城)、名古屋市の名古屋城、那覇市の首里城などで地元自治体や政府が計画。一方、空襲で焼失するなどし、戦後に再建された各地の天守は老朽化が進む。平成3年に設けられた旧基準は史実に忠実な復元しか示していなかった。