新型コロナ対策で世界の96%が旅行規制措置、約90カ国が国境閉鎖、国連世界観光機関が状況とりまとめ
(トラベルボイス 2020年4月21日)
https://www.travelvoice.jp/20200421-145986

世界の観光組織らの「観光危機管理委員会」が雇用維持へ提言、各国政府に具体な行動を求める
(トラベルボイス 2020年4月21日)
https://www.travelvoice.jp/20200421-145985

新型コロナはあらゆる分野において影響を与えているが、観光業界はさらに壊滅的な影響が出ている。
世界の96%がパンデミック対策として旅行規制を設けており、約90カ国が国境を閉鎖、44カ国以上が特定国からの入国を拒否している。
国連世界観光機関(UNWTO)は、各国政府に「言葉だけでなく、実際の行動によって、観光関連業の雇用を守るべきだ」とする提言をまとめた。
また、パンデミック対策は国によって財政的格差があることから、総額80億ドル(約8607億円)の寄付を求めた。

【ポイント】
国連世界観光機関(UNWTO)は、世界の96%がパンデミック対策として旅行規制を設けており、約90カ国が完全にあるいは部分的に国境を閉鎖、44カ国以上が特定国からの入国を拒否していると発表した。

UNWTOのスラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長は、「COVID-19は、歴史上これまでにないダメージを観光・旅行産業に及ぼしている。各国政府は国民の健康を最優先し、旅行制限を設けている。旅行業界は大きな脅威に直面しており、世界中で何百万という雇用が失われ、持続可能な経済成長は後退していくだろう。UNWTOとしては、各国政府に対して、安全性が確保されればすぐにでも旅行規制を緩和、あるいは取り下げるように引き続き求めていく」とコメントしている。

アフリカ、アジア太平洋、中東では、すべての国・地域が2020年1月以降、なんらかの旅行規制を設けている。南北アメリカでは全体の92%、ヨーロッパでも93%が同様の措置を講じているところだ。
すでに状況が改善しているいくつかの国では、規制の緩和を始めているところもある。

国連世界観光機関(UNWTO)は、第3回「グローバル観光危機管理委員会」を開催し、各国政府に対して、言葉だけでなく、実際の行動によって、新型コロナウイルスによって苦境に陥っている観光関連業の雇用を守るべきだとする提言をまとめた。

国際通貨基金(IMF)と世界銀行は経済・金融での対応策をまとめ、欧州委員会はEU加盟国間の政治的協力関係強化を確認。2020年のG20議長国であるサウジアラビアは、国によってパンデミック対策で財政的な格差があることから、各国政府、民間企業、人権団体などに対して総額80億ドル(約8607億円)の寄付を求めた。

世界の観光先進国であるヨーロッパでは、昨年4070億ドル以上(約43.7兆円)の観光収入があり、2700万人以上の雇用を創出した。観光産業での雇用は、コミュニティーのライフラインとなっている。
観光が持つ特別な力を再構築するためには、言葉ではなく、具体的な取り組みが求めてられている。