新型コロナで日本人旅行のキャンセルが急増、3月の貸切バス収入は半減、政府は回復に向け官民一体のキャンペーン検討
(トラベルボイス 2020年3月6日)
https://www.travelvoice.jp/20200306-145615

旅行キャンセルが急拡大している。日本人国内旅行のキャンセルは、1月30日〜2月7日の2万2千人から2月20日〜2月28日の35万6000人の16倍に急増。訪日外国人も3万4千人から10万6千人の3倍に増えた。
貸切バスのキャンセルは、2月は14%減、3月は51%減、4月はさらに悪化し53%減と推測という。
世界の航空会社の損失は、1130億ドル(12兆910億円)に拡大する見込みだという。
言葉にならないほどの影響に広がっている。

【ポイント】
政府の未来投資会議で、新型コロナウイルスの感染拡大による観光などへの影響について議論が行われた。
安倍晋三首相は、「オリンピック・パラリンピックの成功に向けて官民一丸となってキャンペーンを実施し、内外にメッセージを発信する。人の流れを回復するため、観光需要の喚起や、地域の農産品、商店街のにぎわい回復を含め、国を挙げたキャンペーンを検討する」と発言した。

日本人の旅行キャンセル・延期が急激に拡大している。一般社団法人全国旅行業協会は、日本人国内旅行のキャンセル・延期の件数は2月7日調査(1月30日〜2月7日)の397社2万2000人から2月28日調査(2月20日〜2月28日)では2796社35万6000人に急増。日本人海外旅行のキャンセル・延期の件数も310社4100人から1100社2万5000人に拡大した。
訪日外国人旅行のキャンセル・延期の件数も164社3万4000人から729社10万6000人に増えた。

貸切バスのキャンセルも、日本バス協会加盟の貸切バス事業者79者の調査(51者が回答)で、2020年1月の収入は前年比6%減の23億4000万円だったものが、2月は同14%減の22億7000万円。3月には同51%減の14億1000万円と半減する見込み。4月はさらに悪化し、同53%減の15億6000万円に落ち込むと推計されている。

こうした背景から、未来投資会議では、国民の命と健康を守ることを最優先に、緊急対応策を実施した後、当面の資金繰り・雇用維持への支援が重要と指摘。回復に向けては、国内外から人を全国各地に呼び込むために官民一体となった国民運動をあらかじめ想定しておくことが重要と提言した。

新型コロナ拡大で航空業界の損失は12兆円にも、航空会社の株価下落はSARS時を上回る、国際航空運送協会が最新分析
(トラベルボイス 2020年3月6日)
https://www.travelvoice.jp/20200306-145617

世界の航空会社の損失は、現在10人以上の感染者がいる国でさらに感染が拡大したシナリオでは、損失額は世界全体の旅客収入の11%に相当する1130億ドル(12兆910億円)に拡大すると分析している。