日本の入国禁止措置、3月から徐々に緩和
(MATCHAインバウンドニュース 2022年2月14日号)

【ホッシーのつぶやき】
日本政府がやっと入国禁止を緩和するようです。日本国内の世論は「オミクロン規制」一色ですが、世界は緩和に向かっており、日本だけが規制状態にあることへの批判が高まっています。
在日ドイツ商工会議所は130億円超の損失といい、長期的に信頼できるパートナーか疑問ともいいます。留学生派遣を中止する大学も出ています。
日本だけで生きていくのならいいのでしょうが、グローバルスタンダードに立たないと、日本だけが取り残されます。

【 内 容 】
12日、日本政府は現在の入国禁止措置を2月末まで維持した上で、3月以降は延長せず、段階的に緩和する方向で調整に入りました。
3月に先立ち、2月からも一部先行緩和が行われます。
ビジネス目的で日本を訪れる外国人、及び留学生については、現在は新規入国が認められていません。それが月内に1日1000人以上から段階的に緩和が行われ、数千人規模まで認められるようになる見通しです。
3月以降の緩和内容はまだわかりませんが、1.現在の外国人入国原則停止措置が撤廃、2.手続きの一部簡素化、3.入国者総数の引き上げ などが予想されます。
インバウンド業界にいるものとしては、まずはいちはやく「1」の外国人の原則入国停止措置が撤廃されることを待ち望んでいます。

ビジネス入国、月内に先行緩和 留学生含め1日1000人超
(日本経済新聞 2022年2月12日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA112DF0R10C22A2000000/?utm_source=BenchmarkEmail&utm_campaign=2022年2月2週号&utm_medium=email

入国禁止措置は世界的に緩和の方向へ。各国の状況は?

例えばタイではすでに2月1日から隔離なしの外国人入国を再開しています(ワクチン接種完了等が条件)。
2月10日からは、フィリピンでも2年ぶりに外国人観光客、ビジネス客の受け入れが再開(ワクチン接種証明書、PCR検査の陰性証明書所持等が上限)。
フィリピンの場合はワクチン接種の証明書の所持、PCR検査の陰性証明書(48時間以内)の所持等の条件を満たせば、入国後の隔離も免除されます。

イギリスでは11日、ワクチン接種者については入国時の水際対策(ウイルス検査等)が撤廃される事となりました。隔離措置もありません。
フランスでは12日から入国帰省が緩和。こちらもワクチン接種証明があれば、どの国からも入国が可能です。
また、フランスでは国内で飲食・鉄道を利用する際、ワクチン接種を証明する現行の仕組みについても、将来的に撤廃する可能性を示唆しています。
オーストラリアでも、ワクチン接種者に限り2月21日からビザの種類を問わず渡航者の受け入れを再開。

日本政府の緩和方針への転換は、このような世界的な流れを意識してものであると考えられます。また、国内で感染者が広がり、外国人の入国のみを停止することで感染拡大を防止する意味・効果が薄れてきた点も一因であるようです。

欧州のコロナ規制、相次ぎ緩和 英は水際対策ほぼ撤廃
(日本経済新聞 2022年2月12日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR10FIR0Q2A210C2000000/?utm_source=BenchmarkEmail&utm_campaign=2022年2月2週号&utm_medium=email

高まる日本への入国制限批判。一部では日本への留学中止も

日本の強い外国人入国制限には、海外からもたびたび疑問・批判が寄せられるようになっています。
例えば9日には、在日米国商工会議所などを始めとする欧州経済団体の幹部らが記者会見を行い、日本の厳しい入国制限の緩和を訴えました。
在日ドイツ商工会議所が、日本に進出したドイツ企業に対して行った調査を紹介。回答した100社のうち73%が、入国制限でプロジェクトやビジネスがリスクにさらされていると回答しています。
「外国企業にとって日本が長期的に信頼できるパートナーかどうかに疑問を生じさせる」という発言は、私達日本人として深く旨に刻んでおくべき言葉であると考えます。

強まる「開国」要求 在日米商議所など、入国制限批判
ドイツ企業「損失130億円超」
(日本経済新聞 2022年2月10日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB08CKW0Y2A200C2000000/?utm_source=BenchmarkEmail&utm_campaign=2022年2月2週号&utm_medium=email

留学の分野でも大きな影響が生まれつつあります。アメリカのカリフォルニア大学が、2023年3月まで日本への留学生派遣を中止することがわかりました。
2022年春については、すでにスタンフォード大学とメリーランド大学が派遣を中止していますが、来年までも含めた中止の決断はカリフォルニア大学が初めてです。
この決定で約270人の留学生が影響を受けます。うち、約40人は韓国など別の国への留学先変更を検討しているそうです。
留学生は未来の日本の国際活動を担う大切な人材であり、日本の貴重なファンでもあります。彼らの存在を尊重できない状況は、日本人としてとても恥ずかしく感じます。

カリフォルニア大、日本へ留学生派遣中止  水際対策で入国見通せず
(日本経済新聞 2022年2月12日)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80093330S2A210C2NNE000/?utm_source=BenchmarkEmail&utm_campaign=2022年2月2週号&utm_medium=email