沖縄県、都道府県レベルで初の世界標準「定率制」宿泊税導入
(原 忠之Facebook 2024年9月27日)
【ホッシーのつぶやき】
沖縄県の宿泊税が定率制で導入されるようです。
何故、「定率性」が大事なのか?
東京都の宿泊税収は2023年30億円弱、観光関連予算263億円なので、残りは一般財源から負担されています。
アメリカのオーランドの宿泊税収は2023年530億円で、一般財源からの負担はゼロです。年間来訪者74百万人を80百万人にするのも地元住民の反対は無い。地元の文化や祭りに宿泊税から30億円の予算分配されるといいます。
これが世界標準です!
アメリカのセントラルフロリダ大学ローゼン・ホスピタリテイ経営学部副学部長の原 忠之先生のご指摘は勉強になります。
【 内 容 】
日本の都道府県で初の定率制宿泊税に、ついに沖縄県が動きます。これが世界標準であり、日本の常識=世界の非常識で大きな税収額が出ない「定額制宿泊税制度」の終わりの始まりになればと期待します。
民間事業者は今後大いに成長するインバウンド客からドンドン儲けて頂いて、業容拡大をして頂くビジネスモデルが有る訳ですが、これまでは地方政府が成長する観光消費額から儲けるビジネスモデルが出来ていなかったという日本の構造的問題がこれでやっと世界観光先進国モデルに舵を切る事になります。地域住民に観光産業育成の財政負担を強いずに、観光産業が自分で稼いだ資金を使って、観光産業育成や過剰観光等に必要な財源を確保する、まさに世界水準モデルに必須の財源確保制度。
良かったです。

日経新聞の記事
「過重な税負担とならないよう上限を設定することが望ましい」との意見が大勢となり上限額を設ける。
宿泊税の定率制は北海道倶知安町で導入事例があるが、都道府県レベルでは初めて。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC269PB0W4A920C2000000/
定額制でしょぼい金額取っても全く地域内観光関連予算全体をカバーするのに不足し、地元住民が払った固定資産税をベースとする一般財源を観光関連に使うから欧州のように過剰観光にすぐ火が付く訳です。次の課題は、「宿泊税収をEscrowAccountに入れて、絶対に一般財源に入れさせない規律確立」が必須です。一般財源に入れた途端に「地方創生を地域住民負担無しで(=過剰観光の火種を抑えて)実現する全体スキーム」が崩壊します。日本は何故欧州で過剰観光問題が発生するのか(結局Carrying Capacity=入場制限という貧弱な発想になる)ではなく、何故フランスやスペインの3~5倍インバウンドから稼ぎまくっても過剰観光でビクともしない米国観光立地の財務モデルを参考にする時期だと思います。
(1)東京都は人口1400万人、宿泊税収は2023年で30億円弱、観光関連予算263億円のごく一部だけしかカバー出来ず、残りは一般財源から負担、つまり東京都民に税収負担を強いるモデル。
(2)フロリダ州オレンジ郡(オーランド)は人口140万人、宿泊税収は2023年で530億円。地域住民に負担を強いる一般財源負担は完全にゼロ。故に年間74百万人が来訪しても、過剰観光ビクともしない強靭な財源による地元民向け啓蒙活動費も潤沢に確保。今後2年間で74–>80百万人にするとDMOが中期計画宣言しても地元民の反対無し。地元の文化や祭り振興にも30億円程度宿泊税から予算を分配できる状態。(3)沖縄県は東京都の3~4倍の宿泊税収で100億円程度確保出来るのでは。国内先例ではなく、世界の最先端事例を参考にする勇気に高い敬意です。