JA全農兵庫プロデューサーの寺尾さんから、「神戸ビーフ」について教えていただいた『神戸ビーフって何?』をお伝えします。

◎ 牛の種類って何があるの? ブランド牛って何?
牛には「和牛」「外国牛」「交雑牛」があり、「和牛」には黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種の4品種があります。「外国牛」は、乳牛のホルスタイン種などがあり、「交雑牛」は、主にホルスタイン種と和牛が交雑したものです。
「ブランド牛」とは、地域ごとにブランドとしたもので、産地で表すのが一般的だそうです。

◎ 血統書付きの牛ってあるの?
結論からいうと、“全て血統書付き”だそうです。
実際に「黒毛和種 子牛登記」という書類を見せていただきました。
生年月日、上場日とともに、曾祖父までの父方・母方の名前などが記載されており、雄は漢字で名前を書き、雌はひらがなで書かれていました。一目で雄雌が判別できるためだそうです。また、繁殖生産者と飼育生産者名も記載されています。驚いたのは、鼻紋(びもん)という鼻の紋を指紋のように記載されていることでした。
また、牛1頭ずつ10桁の個体識別番号がつけられていました。先日、食べさせていただいたのは「光山」という名前の牛でした。(合掌)

◎ 国産牛と和牛の違いって何?
「和牛」は、日本の在来種をもとに交配を繰り返されたもので、黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種の4品種とあり、黒毛が9割を占めます。一方「国産牛」は、日本国内で3ヶ月以上飼育されていれば国産牛と称され、それゆえに「国産牛」には「和牛」でない場合もあるそうです。

◎ 「ビールを飲ませる」「マッサージをする」「音楽を聞かせる」って本当?
結論からいうと、これらの話はほぼあり得ない話だとお聞きしました。
「ビールを飲ませている」のは、三重県松阪で1軒の生産者が行っている程度で、数頭飼育しているので可能だ。もともと牛は発泡するものが好きだともお聞きしました。
「マッサージをする」という話も数等飼育する程度なら可能ですが、数千頭も飼育すると不可能です。牛にスキンシップするとリラックス効果を与えるのでブラッシングを行うところはあるそうです。
「音楽を聞かせる」については、効果のほどが疑わしい。音楽を聴かせると牛がおとなしくなり、餌を与える時間に音楽を流すと、牛が集まってくる等の効果はあるようですが、ほぼ生産者の好みと話しておられました。

◎ “神戸牛”“神戸ビーフ”“神戸肉”って違うの?
JA全農兵庫としては「神戸ビーフ」という呼称を推奨している。「神戸ビーフ」は、兵庫県内の繁殖農家のもとで生まれた子牛に「個体識別番号」をふられ、厳しい環境のなかで育てられた但馬牛にだけ与えられる呼称で、「神戸肉流通推進協議会」が「神戸肉之証」を発行して「神戸ビーフ」と認定を行っているそうです。
牛肉の格付けは、歩留等級(1頭の牛から可食部分の割合)と肉質等級(霜降りの割合、色、肉質のきめの細かさ、脂の質)で決まり、神戸ビーフは等級が高いものとなるそうです。
「神戸ビーフ」と言えないビーフを提供する店舗のなかで、「神戸牛」や「神戸肉」と称する店舗があると話されました。

http://www.kobe-niku.jp