米商務省、新たな観光戦略を発表、年間9000万人を目標に、地方への誘客やCO2削減など4つの柱
(トラベルボイス 2022年6月7日)
https://www.travelvoice.jp/20220607-151377

【ホッシーのつぶやき】
米国商務省は、2020年に減少したGDPの56%を旅行産業が占めるといい、観光業の影響の大きさを物語った。そして新観光戦略により、雇用促進と失われた収益の回復に力を入れるといい、今後5年間の目標として、毎年9000万人の海外旅行者受け入れ、年間2790億ドル(約37兆円)の消費額を目指すという。
日本では外国人観光客の受け入れを”忌避する雰囲気もある”が、世界は経済、雇用など産業問題と捉えています。

【 内 容 】
米国のジナ・レモンド商務長官は2022年6月6日、新たな旅行観光戦略を発表した。今後5年間の目標として毎年9000万人の海外旅行者を受け入れを目指す。その消費額は年間2790億ドル(約37兆円)になる見込みで、旅行観光業界の雇用促進につながると期待されている。

戦略は4つの柱からなる。まず、地方への誘客を促進するマーケティング活動を進めながら、旅行先としての米国を訴求。また、地域での安全かつ効率的な旅行を推進するとともに、多様でアクセスしやすい観光体験の開発していく。さらに、旅行分野での二酸化炭素削減を進め、持続可能で回復力の強い観光を進めていく。

レモンド商務長官は「新型コロナの影響は、国や地方の経済に打撃を与えたが、これまで以上に包括的で、公平で、持続可能で、回復力のある旅行および観光産業を形成する機会を与えてくれた。この新しい戦略は、雇用を促進し、失われた収益を回復し、忘れられない経験を旅行者に提供する」と述べている。

商務省によると、2020年の米国で減少したGDPのうち56%を旅行産業が占め、観光収入は2019年比で65%減少した。しかし、入国制限緩和後は米国への海外旅行者数は増加。2021年10月の77万5000人から2022年4月には200万人にまで回復した。

新戦略の発表を受けて、米国旅行業協会のロジャー・ダウ社長兼CEOはコメントを発表。「この戦略は、米国の旅行観光産業を再建するとともに、パンデミック前よりも世界での競争力を高めるものになる」と歓迎する意向を示す一方で、「出発前検査の即時廃止やビザ発給までの時間短縮を進めなければならない」との見解も示した。

※ドル円換算は1ドル133円でトラベルボイス編集部が算出