プロの「旅行アドバイザーの利用を検討」は65%と急増、米国でコロナ後に家族旅行で求められることを分析した【外電】
(トラベルボイス 2021年10月19日)
https://www.travelvoice.jp/20211019-149755

【ホッシーのつぶやき】
米国では、「ワクチンパスポート」に賛成が53%で、反対は28%だと言います。ワクチン接種は12際以上が対象のため家族旅行にいけないのが理由のようで、12歳以下のワクチン接種が課題になりそうです。
米国では、国内旅行を希望する人が増えている反面、旅行を取り巻く状況が不透明であり、キャンセルや払い戻しが煩雑であることから、トラベルアドバイザーを頼りたい人が増えていると言います。

【 内 容 】
旅行代理販売業務へのニーズは、これからどうなるだろうか?最近、米国で行われた2つの調査によると、ポスト・パンデミックの休暇旅行では、トラベルアドバイザーを頼りたいという人が増えているのだ。

あらゆる旅行マーケットでパンデミックによる様々な変化が生じているが、米国の家族旅行においては、旅行アドバイザーにとって追い風となる変化もあるようだ。

米国のファミリートラベル協会はこのほど、ニューヨーク大学(NYU)と共同で「2021年の米国家族旅行」調査を実施。パンデミックにより、家族旅行における行動様式がどのように変わっているかをまとめた。

国内旅行、特にアウトドア体験への需要が海外旅行を大きく上回っていることはすでに周知の通りだが、これに加えて、トラベルエージェントに相談しながらプランを立てたいという人が大幅に増えていることが明らかになり、注目の結果となっている。

同大学ジョナサンM.ティシュ・ホスピタリティーセンターの特任准教授、リン・ミナート氏は「トラベルエージェントを使っている人は、今も少数派に近い。ただし、今後の旅行については、トラベルアドバイザー活用を考えている人が増えている」と指摘している。

過去2年の調査では、家族旅行を予約する際、旅行アドバイザーを利用した人は全体の17%だったが、今回の調査では、回答者の65%が今後2年以内の旅行でアドバイザーを頼ることを検討していると答えた。その直接的な理由には、同31%がパンデミックを挙げた。

調査は2021年6~7月、全米を対象に実施し、2365人の親から回答を得た。

旅行を取り巻く状況が、まだ先行き不透明であることが、トラベルアドバイザーに予約を頼みたい人が増えている要因だ。万一のキャンセル手続きや、払い戻しに伴う煩雑なやりとりを自分で抱え込む心配もなくなる。

同じ家族旅行でも、海外旅行やクルーズ需要は、依然として弱含みで推移している。同調査では、今後12カ月間の旅行費用について、海外旅行が多くなりそうだと答えた人は22%にとどまる一方、44%は国内旅行が多くなると答えた。クルーズに関心があるとの回答は、2019年調査では36%だったが、今回は10%に落ち込んだ。

国内、海外を問わず、家族旅行でのトラベルエージェント利用は今後、増えるとミナート氏は見ている。米政府は9月下旬、ワクチン接種を完了した人を対象に、海外からの旅行者受け入れを再開すると発表しており、これが海外旅行には大きな追い風となっている。すでに欧州数カ国と英国が米国人旅行者の受け入れを開始しているが、米政府の相互主義が懸念材料となっていた。

同じ家族旅行でも、人数が多くなればなるほど、行き先に関係なく、トラベルエージェントの必要性が増すとミナート氏。

「トラベルエージェントを頼るかどうかは、予約内容がどのぐらい複雑かも影響する。例えば複数世代での旅行とか、祖父母と孫だけの旅行など、異なる家族が集まって一緒に行動する旅の場合、そのコーディネーター役としてトラベルエージェントが必要になる」と同氏は説明する。

トラベルアドバイザー活用へのニーズ急増は、家族旅行マーケットを取り扱う事業者にとって明るい材料となっている。今年初め、米国旅行アドバイザー協会(ASTA)とサンダルズ・リゾーツが実施した調査でも、これまでトラベルアドバイザーを使ったことがほとんどないという米国人の半数近くが、ポスト・パンデミックの旅行では使う可能性が高いと答えている。

ハイエンド向けのホームシェアリング、Onefinestay(注:現在はアコー傘下)の創業者、エヴァン・フランク氏は最近、新しいスタートアップ「Fora」の構想を発表した。トラベルエージェントの将来性を高く評価しており、新事業では、現在にふさわしい旅行代理店の実現を目指す。トラベルアドバイザーたちは自宅をベースに仕事するという。

「旅行需要が戻ってきた今、これをさらに後押しするべく、トラベルアドバイザーたちも準備万端だ」とASTAの広報担当シニア・ディレクター、エリカ・リヒター氏は今年5月にコメントしている。

ワクチンを巡る二極化
一方、同調査からは、家族旅行マーケットにおいても、ワクチン接種の是非について意見が真っ二つに分かれている状況が浮き彫りになった。

家族全員がワクチン接種を完了していたのは、回答者のわずか16%。これはワクチンが12歳以上を対象に承認されたため、当然の結果ではある。

米国におけるワクチン・パスポートについては、53%が賛成または大賛成、28%は反対または断固反対。ワクチン接種率が低い、または感染対策ルールの実施に消極的な州への旅行を控えるかどうか、との質問では、賛否がより拮抗している。

回答者の42%は、ワクチン接種率が低い、または感染対策ルールが少ないことは(旅行先を選ぶ際)マイナス要因になる、としているが、同58%は、そうした考え方に反対、もしくは特に意見なしと答えた。

「賛否は拮抗しているが、非常にはっきり分かれていて、『まあ、私はどちらでも構わないけど』と言う人がほとんどいない。この質問をすると、対立をあおることになりかねない」とミナート氏は話す。「旅行サービスを提供する立場として言えることは、両者の間で中立を保っていても、話が先に進まないのは明らか。厳格に、強制的に、家族みんなを安心させるパートナーとして動くべき時もあれば、逆に、少し緩い対応に切り替えることが必要な時もある」。

※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(skift)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいてトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。