昨日の『インバウンドサミット2021』にご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。
登壇者105名で、参加者は3400名を超えたそうです。
 
サミットの全セッションはユーチューブで公開されます。
私は実行委員だったのでゆっくり聞けず、ユーチューブの動画で聞こうと思っています。
基調講演+パネルディスカッション+13エリアセッション+13カテゴリーセッション、全ての映像閲覧で28時間かかります。また記録に残したいものをテープ起こしもすると50時間〜100時間かかりますが、できる限りお聞きし、スマカンNEWSでも取り上げたいと思います。
皆さまも、これから先の時代の知見と、エネルギーを嗅ぎ分けてください!
写真は登壇者105名の写真です!

 
意外なものが海外で大人気!“越境EC”のなぜ
(NHK NEWS WEB 2021年6月15日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210615/k10013085411000.html?utm_int=news_contents_tokushu_006

【ホッシーのつぶやき】
オークションサイトに出品している商品が、海外のユーザーに“爆売れ”しているそうです。
特に売れているのが「音楽」で、1970年代から80年代に生み出された日本のポップス、「シティ・ポップ」だといいます。海外の売り上げが2019年比約10倍…
海外通販が増加した背景には、仲介・交渉・決済・配送を行う『越境EC』の企業の存在があります。煩わしい手続きや決済、安心できる環境が整ってきたから伸びています。
コロナで観光客が激減し、苦境を乗り切るため観光協会が中心となって越境ECに乗り出している地域もあります。鳥取県境港市の一番人気は『きざみ昆布』。売れる商品はまだまだありそうです。

【 内 容 】
SNSを見ているとこんな投稿が。
「個人でオークションサイトに出品した商品、よく見たら海外に売れたみたい」
「在宅で着なくなった服をネットで売ったら、海外の人に買われた」
今、国をまたいだネット通販による取り引き「越境EC」が加速しています。特に日本の個人や企業が通販サイトに出品している商品が、海外のユーザーに“爆売れ”しているというのです。
いったい、なぜ海外への流通が加速しているのか。どんなモノがどの地域に売れているのか、探りました。
(ネットワーク報道部 森田将人・ニュース シブ5時 竹迫香織)

売り上げの理由は“日本ロス”!?
こちらは、日本から海外に向けた通販サイトを運営している企業の、四半期ごとの出荷額の推移です。
ことしの1月から3月は、新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年の同時期に比べて、2倍近くに増え、総額は77億円にのぼっています。

増加の背景を、越境ECに大和総研 コンサルタント 五十嵐陽一さんはこう語ります。
「コロナ禍で多くの国の人が海外旅行に行けなくなり、これまで日本に来て旅行で買っていたものを通販で日本から買っています。ある種の”日本ロス”によって新たな消費が生まれているのです」

では、何の売り上げが伸びているのでしょうか。ヨーロッパやアジアで取り引きが加速しているのが「音楽」。CDやDVD、アーティストのグッズなど音楽関連商品です。
特に「シティ・ポップ」と呼ばれるジャンルが大ブレークしているとのことで、現場を取材しました。
海外からの注文が相次いでいるという、都内のレコードショップ「タワーヴァイナル新宿」を訪ねました。
「山下達郎さんとか、角松敏生さん、松任谷由実さん。シティ・ポップのレコードは、入荷すればすぐに売れてしまうという感じですね」
シティ・ポップとは、1970年代から80年代にかけて、洋楽の影響を受けて生み出された日本のポップスのこと。世界の若者に、「メロディーやリズムが都会的で洗練されている」と人気になっています。
特に人気なのは、竹内まりやさんの『プラスティック・ラヴ』。動画再生回数は、非公式なものも含めると7000万回以上と言われています。

ブームのきっかけとなったのが、韓国のDJ”ナイト・テンポ”さん。
日本のシティ・ポップをアレンジしてネットで公開したところ、たちまち大人気に。
コロナ禍の今、ネットで聞いた曲を”オリジナルの音で聴きたい”と、レコードやCDを買い求めるファンが増えているそうです。
このレコードショップでは、2019年と比べて海外への売り上げがおよそ10倍になりました。

タワーヴァイナル新宿 田之上剛さん
「以前は日本にある実際の店舗に買いに来ていたファンが、今は来ることができないので、日本の通販サイトを片っ端から訪れ、買っているようです」
なぜ、わざわざ日本から取り寄せるの?
実際に日本から商品を取り寄せている人たちから、話を聞くことができました。

トゥさん(台湾在住)
「好きなアーティストは、竹内まりやさんです。レコードの音は、デジタルの音よりももっと温かみがあるように感じられて、音楽を聴いているという実感があると思います」
モナさん(オランダ在住)
「実物のレコードのジャケットというのは、とても特別なものだと思います。その時代の空気が、色づかいやデザインから伝わってきて、すばらしい!」
音楽のデジタル配信が当たり前となった今だからこそ、実物を海外から取り寄せてでも、CDやレコードそのものを持ちたいという方が増えているようです。

越境ECの“仕掛け人”

BEENOS (東京・品川)

こうした日本から海外への通販が増加している背景には、日本の個人や企業と、海外の人たち仲介し、交渉・決済・配送の手配などを行う『越境EC支援企業』の存在があります。
その支援企業の一つ、越境ECの代理購入サービスを展開する「BEENOS」(ビーノス)です。冒頭に示した、海外への出荷額が急増しているというデータは、この会社のものです。
これまで越境ECを行うためには、日本にいる個人や企業が、海外の人と直接やり取りをする必要がありましたが、この支援企業が両者の間に入って売買がスムーズになるように仲立ちをします。

BEENOSのサイト
日本側の企業には、その企業がもっているウェブサイトを外国語に翻訳するサービスを行っています。企業にとっては、新たなウェブサイトを作る手間やコストが減らすことができるため、依頼が増えているそうです。
一方、海外のユーザーに対しては、日本のウェブサイトで買う際に不安な点や、壁となることを解消するサービスを行うことで、利用者の増加に結び付けています。
これまでの日本の通販サイトでは、日本語での表記しかなく、問い合わせをしても、うまくコミュニケーションがとれないというケースが少なくありませんでした。
これに対して、この会社では英語や中国語だけでなく、ロシア語など10の国と地域の言語に対応。海外から要望になるべく早く応えることで、利用者を増やしたいと24時間体制で顧客支援をしています。
また、越境ECのトラブルで多いのが、注文と違う商品が届いてしまうことだと言います。そこで、この支援企業では、海外に発送する前に一度商品を開封して、注文と違うものが入っていないか、壊れていないかを点検するサービスを行っています。

BEENOS 直井聖太社長
「日本には、世界のお客さんから求められている商品なのに、海外通販に対応していないため、売れてこなかったものがたくさんあります。
多くの企業が、そのことを知らずに国内だけで商売を完結してしまっているので、海外への視点を広げてもらって、私たちもビジネスにつなげていきたい」

地域をあげて“爆売れ”目指す動きも
境港市
越境ECの加熱をとらえて、地域をあげて海外に向けた戦略を打ち出すところも現れています。
新型コロナが流行する前に比べて、観光客が大幅に減ってしまった、鳥取県境港市。この苦境を乗り切るため、観光協会が中心となって越境ECに乗り出しました。

境港市の特産品を販売するサイト
販売のターゲットは、もともと鳥取を訪れる外国人観光客の半数を占めていた、中国。
中国とのパイプを持つ越境EC支援企業と提携し、4月から地元企業4社が商品を売り出し始めました。

地元の造り酒屋が出品しているのが、スパークリングの日本酒。実は今、中国は日本酒ブーム。
家で過ごす時間が増えたことがきっかけで、家庭で飲むお酒として需要が高まっているそうです。
この造り酒屋では、コロナ禍で一時、店の売り上げが半分まで落ちたと言いますが、中国への販売に商機を見いだそうとしています。

なぜか“爆売れ”?

中には、意外なものが売れているという商品も…。
この地域で昔から食べられている、『きざみ昆布』です。
このきざみ昆布は、ECサイトでいちばん人気の商品ですが、売っている雑貨店の店主の方も、なぜ売れているのか、どう食べられているのか、分からないそうです。
「商品の選定は、今のところ手探り。サイトに出品してみて、お客さんの反応がいいものにねらいをしぼっていきたいです。気持ちとしては、100万個でも売れてほしい!」
今後、観光協会では、どう食べられているのかなどを探り、中国のニーズを分析。
さらなる売り上げアップや、新たな需要がほかにもないか見つけていきたいと意気込んでいます。

境港観光協会 古橋 剛さん
「越境ECをきっかけにこの地域を知ってもらいたい。動画やライブ配信、SNSなどを使って、地域をアピールし、コロナが収束したあとに、鳥取に実際に足を運んでもらうのがいちばんのねらいです」

専門家は、自治体などで取り組む際には、戦略が必要だと指摘します。
大和総研 コンサルタント 五十嵐陽一さん
「ただ売るだけではなく、その国ではどのような通販サイトが使われているのか、どんなSNSが主流なのかなど、リサーチが必要です。簡単ではありませんが、チャンスはあると思います」
終わりが見えないコロナ禍ですが、私たち個人や自治体、企業が日本だけではなく海外に目を向けていくことで、経済を変える大きな力になるかもしれないと感じました。