韓国のプチぜいたく、お歳暮には日本酒、連休は日本旅行
(日経ビジネスオンライン 2月12日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20150210/277329/?n_cid=nbpnbo_mlt&rt=nocnt


【ポイント】
・2月19日は2015年の旧暦のお正月。韓国のデパートなどで「ソルソンムル」という日本のお歳暮と同じ売り出しで大賑わい。
 2015年1月7日~2月6日の動向は、1人当たり平均4.8個のお歳暮を注文している。
 人気の第1位は果物セットやカルビセットといった生モノに近い食品、2位はツナ缶セットやハムセットといった加工食品、3位は健康食品だった。
 日本酒セットを販売しているところも増えている。

・韓国が輸入した日本酒は、2012年に3127トン。2013年に3647トン、2014年は7月時点で1823トンに増えている。
 国別の輸出先では1位が米国、2位が韓国、3位が台湾だ。
 2011年3月の福島原発事故で、韓国政府は東北地方産の米や水産物を輸入禁止したが、日本酒だけは輸入を続けた。

・韓国のマスコミで、東北の温泉や日本酒の蔵元を紹介する記事が増えており、「スモール・ラグジュアリー」ブームという。「プチぜいたく」とほぼ同じ意味である。
 スモール・ラグジュアリーは、食べ物がどういう過程を経たのか、安全で希少価値があることを求める。
 日本酒は全国各地に蔵元があり、それぞれの職人がお米選びから瓶詰めまで時間をかけて作る。
 大量生産品ばかりの韓国でヒットした要因と言える。

・NHK番組では、「日本酒飲み放題」を売りにするお店や、複数の日本酒を色々と試飲できる専門店などを紹介していた。
 韓国の女性たちが日本酒を好んで飲んでいる様子も伝えていた。
 「日本酒は度数が強くなくて飲みやすい」「日本酒は香りがとてもよくておしゃれ」なことを好感しているという。
 人気の理由は「円安で日本酒の値段が安くなった」からと分析した。

・円安で輸入コストが安くなっただけでなく、日本を旅行する人が増え、日本酒を飲む機会が増えたことも日本酒人気の高まりに影響している。
 SNSでは「日本旅行のお土産に日本酒を買いたい。お勧めの銘柄を教えてほしい」といった書き込みが増えている。

・2014年に日本旅行にでかけた韓国人は275万5281人。
 円安効果で東京や大阪に買い物にでかける個人旅行客が急増した。東北や四国、九州を訪れる温泉ツアーに参加する人も増えている。
 韓国最大手の旅行代理店ハナツアーを利用して2014年1月に日本を訪れた人は約3万9000人。今年1月は81.5%増の約7万人に達した。
 韓国では「日本は嫌韓だからいじわるされたらどうしよう」と心配する人がいるが、日本に来ると皆が歓迎してくれるし、親切という。

・韓国のテレビ番組に出演する日本人タレントが増えている。日本で撮影した番組も増えている。
 韓国で日本酒や日本旅行が人気となっているのは、韓国の若者の間で、日本に対する親近感が増しているからかもしれない。