『淀川水系の自然と生態系に学ぶ、ホンモノの観光!』①
(観光のひろば 2024年9月25日)

【ホッシーのつぶやき】
大倉さんとのお付き合いは20年ほどになります。第一印象は「優しい」です。そして話の「奥が深い」です。仲間をとても大切にされています。だから自然との触れ合いも「優しい目線」で「奥が深い」のだと思います。
写真からも動物に好かれていないと撮れないショットが多いです。キレイな写真とともに奥が深い鵜殿のお話をお楽しみください。

【 内 容 】
今回の『観光のひろば』は、ケプラデザインスタジオの大倉清教(オオクラ キヨノリ)さんから、①鵜殿って、どんなところ、②四季折々の自然と生物、③この自然を守るためにについてお話をいただきました。

大倉さんは、毎朝、4時から5時に起床し、自宅の庭の草花に水をやり、その後、菜食の朝食「サラダ」をきれいに盛り付け、鵜殿の散歩に出かけられます。
趣味も多彩で、健康のためボウリングも再開され、ハイスコアでは9連続ストライクの272点だったそうです。
大倉さんの仕事は空間デザイン、プロダクトデザインなど、さまざまなデザインを手掛けているといい、学校や図書館のデザインでは、「そこに働く人がどのように働きたいのか」を聞き出してデザインするといいます。

また伝統工芸では、「伝統工芸は他分野とのコラボできていないので、他分野と共創のようなデザインを心がける」と語られました。
金沢美大の恩師から「デザインする者は自らの手で創らないといけない」と教わり、その教訓を実践するべく、陶芸も25年やっておられます。デザイナーは自らの「手」で創作しなければならないという信条をお持ちです。

鵜殿のヨシ原は、高槻市の北西、上牧(かんまき)から道鵜(どうう)地区に広がる淀川河川敷に、長さ約 2.5km、幅約400m、面積約75haにわたるエリアです。
講演では、鵜殿に生息する草花から昆虫、鳥、動物と多彩な写真を100枚以上紹介される形で進みました。
(講演概要では個々の写真は省略し、エピソードのみお届けします)

・カワセミの雌雄の見分けかたは、クチバシの下側が黒ければオス。赤ければメス。そしてカワセミは魚の捕獲が上手で、英語で「キングフィッシャー」と呼ばれている。
・昔はどこでも見られた“スズメ”が50年で7割が消えてしまった。
・キジは地面を走ることが多いので、キジが飛翔している姿を見ることはほとんどできない。
・タカの仲間『チョウゲンボウ』も美しい鳥。この空の生態系の王者『チョウゲンボウ』は野ネズミなどを捕食している。
“アサギマダラ”という蝶は、2000km移動すると言われ、夏から秋にかけて鵜殿にも飛来する。
・鵜殿にはキツネもいる。滅多に姿を見せてくれないが、子キツネを見守るキツネの一家の写真には癒されました。
・キツネもノネズミなどを捕食しますが、餌となる小動物がいてそれを捕食する動物がいて、この食物連鎖、生態系がしっかり残っていることが重要だと話されました。
 
大倉さんは写真もプロです。
目線が違うというのか、優しさと鋭さを感じます。そして鵜殿の動物は「大倉さんが好き」なようで、大倉さん曰く「動物たちも好きな人を見分ける」ようです。
また「鳥たちより先に鳥に気付く」のが鳥撮のコツだと語られました。