グーグルが旅行事業で目指す未来と最新動向を整理した、フォーカスライト国際会議にはキーマンが登壇へ(トラベルボイス 2019年10月31日)
https://www.travelvoice.jp/20191031-140044

2019年夏、グーグルが旅行アプリ「トリップス(Trips)」の展開を取りやめたが、「グーグルマップ」を進化させた「グーグルトラベル」を展開するという。ドル箱の取引先であるOTAとも競合するなか、「グーグルはOTAになるのか?」の疑問も浮上する。11月19日から開催される国際イベントで、目指すべきビジョンが解説されるようだ。

【ポイント】グーグルの時代がやってきた。世界中のマーケットの検索分野における最上部、多くの潜在ユーザーが接する「最初の入り口」を完全に支配する体制ができあがっている。これから旅行の検索をする利用者にとって、グーグルが圧倒的な存在であるかは、まだ意見が分かれる。

旅行各社の多くは、公式には認めないかもしれない。だが消費者にとってグーグルが便利なことは間違いない。検索結果から最適なウェブサイトへつなぐ無料のルートもあれば、キーワードやブラウザの動きから要望を推察し、関連する内容を表示するまで、やり方は色々ある。
旅行分野におけるグーグルの取り組みは、何年かに渡り、ゆっくり進んできた。目指すところは「メタ予約」戦略であり、これに頼るホテルや航空会社もある。グーグルにとって、ドル箱の取引先であるOTAとも競合する。2019年夏、グーグルが旅行アプリ「トリップス(Trips)」の展開を取りやめた。3年かけて取り組んできた旅行者向けアプリから撤退した。旅行に限定したアプリはあきらめたが、「グーグルマップ」をさらに広い範囲でカバーする「グーグルトラベル」に、あらゆるトラベルの機能をまとめたのだ。
グーグルマップでも、同じぐらいトラベル関連機能が利用できるようになったことも要注目だ。検索結果に加え、広告や現地情報、料金の詳細、購買手続きリンク先などが、アプリ内で見られるようになる。検索、ショッピング、予約など一部のサービスしか提供していないライバル他社との差は歴然だ。

このアプリが旅行中も使えるとしたら(必要なデータは、ユーザーの検索結果の“精度アップ”を理由に収集済みだ)。グーグルに対して警戒心を強めるのは当然だ。
「グーグルはOTAになるのか?」といった疑問が浮上する度に、旅行業界は半ば希望を込めて、そんなことはないと懸念を振り払ってきた。

米フロリダ州で2019年11月19日から開催される国際イベント「フォーカスライト・カンファレンス」では、テック・トークのセッションにグーグルが登場。エンジニアリング担当バイスプレジデントのオリバー・ヘックマン氏が登壇し、AIや機械学習のテクノロジーを用いることで、旅行分野はもちろん、医療、農業などの問題解決を目指すビジョンを解説する予定だ。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社のニュースメディア「フォーカスワイヤ」に掲載された英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。