日本政策投資銀行が、アジア8地域の4000人を対象に「訪日外国人旅行者の意向調査」の結果を発表したのでご紹介します。
(韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア)
 
○「海外旅行したい国」の調査で、1位:日本52%、2位:オーストラリア42%、3位:韓国41%、4位:スイス・ニュージーランド・アメリカ37%と、だんぜん日本のポイントが高く、昨年より5%上昇している。
「日本」を選んだ国別で見ると、1位:台湾68%、2位:香港62%、3位:シンガポール57%、4位マレーシア56%、5位:タイ55%と続く。
それにしても韓国が20%と低い数字なのは驚きだ。これまで訪日外国人の1位を続けてきた韓国も、ウォン安などの影響もあり、大きく傾向が変わってきたことを裏付ける。ちなみに中国は53%と6位だった。
 
○訪問先は、1位:東京65%、2位:大阪47%、3位:京都40%、4位:富士山33%、5位:北海道30%であり、「行ってみたい日本の観光地」では、富士山47.7%、東京47%、北海道44.6%、大阪36.7%、京都33%だという。
この結果は、ゴールデンルートでの訪問先が主であることと、北海道へのあこがれが強いようだ。また、観光地の認知度は、大阪や京都は6割を超えているが、「関西」の認知度は36%と低いのも実態だ。
 
○旅行スタイルは「少人数旅行」が“近い”“やや近い”を入れて66%と少人数旅行の嗜好が強いことが裏付けられている。

○「事前に細かく計画を立てる」も“近い”“やや近い”を入れると65%、「のんびり滞在したい」も61%と、これまでの団体旅行スタイルと大きく異なってきている。
 
○「ツアーガイドに案内してもらいたい」が32%で、「自由に旅行したい」が45%も注目しなければならない数字だ。いかに魅力ある観光スポットを伝えられるかが訪日客を引っ張れるかということになる。
ただ、少人数旅行が進んでいるように見えるが、直近の日本旅行の傾向を見ると「ガイドつきパック旅行」が37%であり、実態としてはパック旅行が根強いことも見落としてはならない。
 
○買い物動向も「高価な商品」の希望は18%で、「現地の人が使う日用品」が51%という。
買物する場所(訪日初回者)では、「ショッピングモール」53%、「土産物店」54%、「百貨店」43%、「空港」42%が主流を占め、「大型ディスカウントストア」34%、「百円ショップ」31%、「ドラッグストア」26%は、全体としてあまり高くない結果だが、国別の差が大きい結果となっている。
 
○「高級な料理を楽しみたい」は30%で、「現地の人が普段利用している安価な食事を楽しみたい」が46%とあり、どちらも嗜好があるようだ。
 
○インターネット予約が80%を占める。LCCも「利用希望」が73%を占めた。
 
今日『和食』のユネスコの無形文化遺産に正式登録されました。本調査でも、訪日外国人の旅行目的に「日本食に関心があった」が、初回51%、2回以上58%と、「日本の景観に関心があった」と並んで首位を占めており、今後『和食』を求める訪日外国人が増えてくれることは確実です。
 
http://www.dbj.jp/pdf/investigate/etc/pdf/book1312_01.pdf