友人Qさんの、「ななつ星in九州」の旅のレポート⑰を転載させていただきます。

今回は、「宮崎訪問」についてです。 ななつ星は宮崎駅に到着した。 私が由布院にいた平成9年、「由布院温泉観光協会」が九州で第1号の第10回岩切章太郎賞を受賞した。岩切氏は「宮崎観光の父」と呼ばれ、日南海岸にフェニックスの植林を行い、こどもの国の開園、えびの高原の観光開発、橘公園の造園など大型の観光開発を行っている。1988年に宮崎市は「岩切正太郎賞」を創設し顕彰している。岩切章太郎賞の賞金100万円は由布院の観光基盤整備に使わせていただいた。この時、宮崎市に招いていただき式典のほか、市役所に山茶花を記念植樹するなどとても思い出深い土地だ。 宮崎駅に降り立った我々を、観光協会や商工会議所の方々が待ち構え、歓声と拍手とプレゼントで歓迎してくれた。専用バスに乗るまでの実に気持ちのいい時間だ。生涯初めで最後になるレベルの歓迎を受けていることに、ななつ星のファースト便に乗れたことの幸せを噛み締めていた。 ななつ星バスで宮崎神宮に向かった。本宮は神武天皇の孫にあたる健磐龍命(たけいわたつのみこと)(熊本・阿蘇神社ご祭神)が九州長官に就任した際、祖父のご遺徳たたえるために鎮祭したのが始まりと伝えられているそうだ。神話の世界は名前の覚えにくさもあって苦手である。お宮参りは、本殿前で二礼二拍手一礼のお参りではなく、拝殿で御祈祷をしていただき、お神酒、御札を頂戴するという特別な扱いをしていただいた。そう、「ななつ星」は訪問先の特別な扱いが続いたのである。 次に向かったのは青島だった。周囲1kmほどの小さな青島に亜熱帯植物「ビロウ樹」が自生し、周囲は「鬼の洗濯板」で知られる波状岩で囲まれている。その先には青島神社がある。島へは、通路が狭いので歩くのが普通だが、ここでも「ななつ星」の特別メニューとして、こぶりなバス『にちなん号』に乗り換えて渡った。青島神社で結婚式といった特別な時にしかバスは使用されないとのことだった。バスから降り、神社までの歩道が前日の台風26号の影響で、大量の砂と流木が散乱していて、案内の宮司が恐縮していた。青島観光後、再度ななつ星専用バスに乗り換えて都城駅へむかった。