「和食」で注目 日本食材が関西から世界へ…宝ホールディングス、神戸物産、伊藤ハムなど続々(産經新聞 11月21日)http://www.sankei.com/west/news/141121/wst1411210073-n1.html?fb_action_ids=759459720794996&fb_action_types=og.recommends

日本食が関西から世界に広がっている。大手企業はM&A(合併・買収)などで海外拠点を着々と増やし、中小企業は異業種が連携し関西国際空港を拠点に輸出態勢を整えた。ユネスコの無形文化遺産に「和食」が登録され注目が集まっていることを追い風に、目標の引き上げや積極的な出店計画など強気の姿勢が目立つ。(中村智隆)

「コメから食器まで、日本料理店が開けるだけの商品を扱っている」とアピールするのは、宝ホールディングスの柿本敏男社長だ。

宝は2010年にフランスの食材卸会社、フーデックスを買収し日本食材卸事業に参入した。その後も英国、スペイン企業を買収。14年9月中間期の同事業売上高は前年同期の約2・5倍に増えた。

「業務スーパー」を展開する神戸物産は10月、米ニューヨーク市に和食レストラン「しゃぶしゃぶ神戸」をオープン。「和食だけでなく日本そのものの良さも伝えたい」として、来年4月にかけ同市でさらに2店舗、日本食材を置くスーパー1店舗を開く計画だ。

伊藤ハムは、6月にベルギーを拠点として欧州向けに「神戸ビーフ」などの輸出を始めた。米国やシンガポールなどにも輸出しており、堀尾守社長は「着実に伸びている」と胸を張る。将来的に輸出量を現在の5倍に引き上げたいという。

一方、中小事業者は連携して海外を攻める。魚卸売会社ひろ(三重県紀北町)や物流サービスの関空運輸(大阪府泉佐野市)などは、物流コスト低減などのため共同で「関西・食・輸出推進事業協同組合」を設立。関空拠点にアジア地域などに共同輸出している。

国内の食市場は少子高齢化で伸び悩むが、農林水産省によると世界市場は09年の340兆円から、20年には680兆円と倍増する見込み。近畿2府4県の10月の食料品輸出は前年同月比15・2%増と9カ月連続で前年実績を上回っており、関西企業の存在感は増しそうだ。