【データ】お墓の準備に関する全国調査
(観光経済新聞 2020年10月26日)
https://www.kankokeizai.com/【データ】お墓の準備に関する全国調査/

【ポイント】
高齢者が増えており、「終活」も浸透しつつあるなか、自分や家族が入る「お墓」についても意識が高くなっているようだ。
家族や一族など家単位で承継する「一般墓」の認知度が92%で、50%の方がこのお墓に入るようです。
核家族化するなか「自分のためにお墓を購入していた」(21%)、「死後、新規にお墓を購入した」(20%)もあり、「樹木葬」「納骨堂」など多様化する傾向もあるようです。

【 概 要 】
鎌倉新書が「お墓の準備に関する全国調査」の結果を発表した。

■調査トピック
1.お墓の認知度 「一般墓」 がトップの92.3%。
  全てのお墓の種類で、男性よりも女性が「詳しく知っている」と回答
2.49.9%の回答者が「故人がお墓を既に持っていた」と回答
3.お墓に対する意識は 「家族に迷惑をかけたくない」が最多の80.3%
  全ての項目において、男性よりも女性の意識が高い結果に
4.54.6%が「自分の母親が入るお墓がある」と回答
5.お墓について「故人の希望通りにできた」が64.6%、「希望は聞いていなかった」 が30.4%
6.ペットを「霊園などに納骨したい」 が43.5%

■調査結果
1.お墓の認知度 「一般墓」 がトップの92.3%。
  全てのお墓の種類で、男性よりも女性が「詳しく知っている」と回答
「一般墓」「樹木葬」「納骨堂」「永代供養墓」の写真を見ながら、認知度合について伺った。
一般墓:認知度92.3%(詳しく知っている人は81.6%)
  ※ 家族や一族など家単位で承継していく墓石を用いた伝統的なお墓をさす。
樹木葬:認知度66.7%(詳しく知っている人は28.3%)
  ※ 永代供養墓の一種で、墓石の代わりに樹木を墓標とするお墓をさす。
納骨堂:認知度84.6%(詳しく知っている人は39.0%)
  ※ 永代供養墓の一種で、主に建物の中などに個人や家族単位で遺骨を納める形式をさす。
永代供養墓:認知度74.2%(詳しく知っている人は39.6%)
  ※ 寺院や霊園管理者が遺骨を預かり、永代に渡って供養をする埋葬方法をさす。

いずれも男性よりも女性で「詳しく知っている」と回答した人が多く、最も差が開いたのは樹木葬の13.3ptとなった。(男性22.6%、女性35.9%)いずれのお墓も、年代が上がるにつれて「詳しく知っている」と回答した方が増加している。

2.49.9%の回答者が、「故人がお墓を既に持っていた」と回答。

直近で喪主を務めた故人のお墓の所有状況は、1位「お墓を既に持っていた(先祖代々のお墓や家族のお墓など)」(49.9%)、2位「故人が生前、自分のために新規でお墓を購入していた」(20.6%)、3位「故人の死後に、喪主または他の方が新規でお墓を購入した」(19.8%)となった。
一般墓は先祖代々受け継がれていくため、一般墓を所有している場合は、既にあるお墓に入るケースが多々見られる。樹木葬・納骨堂などの永代供養墓も、故人の配偶者が既にお亡くなりになっている場合は、一般的に同じ納骨先に入る。

3.「お墓に関して家族に迷惑をかけたくない」が80.3%。

お墓への意識は、「お墓に関して家族に迷惑をかけたくない」が80.3%で最も高く、次いで「お墓は家族が来やすい場所にしてほしい」(77.5%)、「お墓は静かで落ち着いた場所であってほしい」(73.4%)となった。いずれも男性よりも女性で「あてはまる」と回答した方が多く、お墓に対する具体的なイメージを持っています。

4.54.6%が「自分の母親が入るお墓がある」と回答
自分自身や配偶者、両親のお墓の準備状況は、「自分の母親が入るお墓を決めている」が最も多く54.6%となった。自分自身については、41.5%が入るお墓を決めています。概ね女性よりも男性で数値が高く、墓守としての意識が働いているとみられる。
自分自身、配偶者、自分の母親で、年代が高くなるほど入るお墓を決めている方が増加傾向にあり、お墓を身近な存在と捉えている。
未婚よりも既婚の方のほうが、入るお墓を決めている人が多数。夫婦になると、お墓は両家の課題となる。あらかじめお墓の保有状況を確認する必要があります。

5.お墓について「故人の希望通りにできた」が64.6%も、「希望は聞いていなかった」 が30.4%

「故人の希望通りにできた」が64.6%となった。一方で「希望は聞いていなかった」方が30.4%となった。お墓のみならず、葬儀や遺産分割などを故人の希望通りに行えたかは、遺族の気持ちにも大きく影響する。元気なうちに家族間で話し合いましょう。自身が親世代の場合は、エンディングノートを準備し、次世代に自分の希望を伝えることもおすすめです。喪主の年代が高くなるほど「希望通りにできた」が増加傾向にある。両親も高齢になるため、家族の今後を話す機会が増えているとみられる。

6.ペットを「霊園などに納骨したい」 方が43.5%

ペットの埋葬方法については、「霊園などに納骨したい」(43.5%)が最多で、次いで「家で保管し、自分の死後に一緒に入りたい」(19.4%)、「自宅の庭に埋葬したい」(14.5%)となった。
ペットとお墓に関して下記のようなコメントが寄せられた。
● 以前飼っていたペットと今のペットを同じ所に入れるか、自分達と一緒に入れるか決めかねています。
● ペットが先に旅立つ可能性が高いが、納骨は自分たちと同時が良いと現時点で考えています。
● お墓選びはペットと一緒に入れることが最優先でした。
● 故人が望んでいた「ペットと一緒に眠るためのお墓」を家族みんなで資料を取り寄せて探しました。家族と会話する良い機会でした。
● 故人に亡くなったペットの遺骨があったので、一緒に埋葬するタイプにしようか悩みました。
● 新しくできた霊園はすぐ見にいったほうがいいと思います。ペットと一緒の区画は少なく、早い者勝ちです。

■調査概要
調査名 :お墓の準備に関する全国調査(2020年)
調査対象 :全国40~79歳以上の男女
過去5年以内に自分自身もしくは配偶者が喪主を経験している人、または今後喪主を務める可能性が高い人
調査期間 :2019年9月21日(土)~2019年9月26日(木)
調査方法 :インターネット調査(調査協力:楽天インサイト)
有効回答数:1,201件
※本調査は2019年9月に実施されたものであり、新型コロナウイルスの影響は受けていません。

「終活」は、高齢社会に突入した日本において浸透しつつあります。当社は、 終活を「人生の終わりに向けて前向きに準備することで、今をよりよく生きる活動」と定義しており、介護・葬儀・相続など、活動範囲は多岐にわたります。今回は、終活の中でも ‘’家’’や ’’先祖’’ の特色が残る「お墓」の準備について調査を行いました。