昨日、『第16回なにわ大賞』贈呈式に参加した。
皆さん、『なにわ大賞』をご存知だろうか? 『なにわ大賞』とは、なにわで一番のいちびりを募集して、毎年7月28日(なにわのひ)に贈呈式をして、町衆同士が互いに称え合うというものです。
行政や他の団体が与えることがないが、“やっぱりあの人、頑張ってはる”という人を称えるもので、全くの民間ボランティアで行っている活動です。
 
“いちびり”は、セリ市で手を振って値を取り仕切る「市振る」に由来しているといい、それが転じて、物事のリーダーシップをとることを指すことになったといいます。また贈呈式も“もらってもらう”ことから「もうていしき」と呼んでおられます。
今回も80数組の自薦他薦があったとかで、何で賞を貰うことになったのか分からない方もおられるといいます。また、16回で140数名の方が受賞されているそうです。
16年も続いていること自体が賞賛されるべきもので、『なにわ大賞』そのものが“いちびり”な存在です。
 
主催は「なにわ名物開発研究会」(野杁さん会長)で、『なにわ大賞』の選考委員は、選考委員長:難波利三(直木賞作家)、選考委員:橋爪節也(大阪大学総合博物館館長)、旭堂南陵(講談師)、子守泰範(アンテリジャン)、玉置泰紀(関西ウォーカー編集長)、森一貫(手塚山大学名誉教授)、柿木道子(くいだおれ代表取締役会長)が努められています。
 
【今回の受賞者】
大  賞:松村嘉久(阪南大学 国際観光部 教授)
準大賞:明治安田生命 関西を考える会
      岡本 巧
バリアフリー特別賞:プチハウスなな 栂 紀久代
まちづくり特別賞:(株)松井 泉
めざせロボットのまち特別賞:でんでんタウン電子工作教室
歴史文化特別賞:猪飼野探訪会 足代健次郎
伝統産業特別賞:(株)中尾シェル
なにわのウェスタン特別賞:なにわのガンマン 浅野純一
 
大賞の松村嘉久さんは、新今宮のドヤ街を世界中からバックパッカーが集まるゲストハウス街に発展させるため努力しておられ、地元の「ホテル中央グループ」とコラボして、新今宮TIS(ツーリストインフォメーションセンター)を阪南大学の松村ゼミの学生を主体としてボランティアで運営されています。
その結果、年間1万人にも満たなかった外国人宿泊者は、年間10万人を超すまでに伸びてきました。「ありふれた日常のまち歩き」を仕掛ける観光のキーマンとして受賞されました。
 
松村先生の活動は4年前に知りましたが、新今宮のドヤ街がゲストハウスと認知されるとともに、訪日外国人が多くなり、単に宿泊先以上のものが求められるなかで、外国人を対象としたインフォメーションは時を得た活動でした。
しかし、行政はこの地域にアンタッチャブルな面を感じているようで、活動に十分な理解がなかったと思います。
『なにわ大賞』のような、いちびった方への賞には最適だったように思います。
松村先生、本当におめでとうございました。
 
http://www.naniwa-meibutsu.com/prize.html