インバウンド誘致、「コロナ後も積極的」67.9%:インバウンド対策意識調査
(訪日ラボ 2022年3月7日)
https://honichi.com/news/2022/03/07/survey1/?utm_source=BenchmarkEmail&utm_campaign=mail_magazine_20220315&utm_medium=email

【ホッシーのつぶやき】
コロナ後のインバウンドについてポジティブな動きが増えています。
訪日ラボの調査でも、コロナ後もインバウンド誘致に積極的が68%です。理由は、入国制限が解除されたあとのインバウンド需要に期待37%、日本人観光客の消費のみでは将来的に先細る29%と健全です。
岸田政権に求めるものは、GoToなど消費意欲喚起策63%、コロナ感染症厳格措置の緩和55%とあり、GoToがトップですが、感染症対策の緩和も大きなポイントです。

【 内 容 】
長引くコロナ禍によって、未だ先行き不透明なインバウンド業界。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大がつづくなか、世界では少しずつ国際観光のゲートを開ける国も現れています。
日本国内のインバウンド業界に携わる方々は今なにを考え、どのような行動を取っているのでしょうか。今回訪日ラボでは、訪日ラボのメルマガ会員向けに独自アンケート調査を行いました。その結果をご紹介します。

目次
• インバウンド誘致、「コロナ後」も67.9%が積極姿勢
• インバウンドによる「リベンジ消費」期待、国内市場の先細りへの懸念目立つ
• 岸田政権に対して観光・インバウンド「期待できる」36.7%
• 政府へ「感染症法の位置付け見直し」求める声強く
• 「まん延防止等重点措置」の是非、都市部の事業者ほどネガティブな反応
• 無観客開催となった東京五輪。観光事業者にどのような効果をもたらしたか?
• 在日を含む外国人観光客の増加、日本国内からの問い合わせ数の増加に寄与

インバウンド誘致、「コロナ後」も67.9%が積極姿勢
「コロナ禍前(2019年まで)と比較した時、インバウンド(訪日外国人観光客)を誘致する方針にどう変化がありましたか?」という質問に対して、結果は以下のようになりました。

▲コロナ禍前(2019年まで)と比較した時、 インバウンドを誘致する方針にどう変化がありましたか?
• 積極的である 48.1%
• やや積極的である 19.8%
• 消極的だ 30.5%
• 完全に撤退意向である 1.5%
という結果になりました。訪日外国人観光客の入国制限が2年近くつづく中でも、7割近くの事業者はインバウンド誘致への積極的な姿勢を崩していないことがわかります。

インバウンドによる「リベンジ消費」期待、国内市場の先細りへの懸念目立つ
上記の質問でコロナ後のインバウンド誘致に「積極的である」「やや積極的である」と回答した方に対して、「コロナ後のインバウンド誘致に積極的である理由について教えてください。」という質問をしました。その結果は以下のようになりました。

▲コロナ後のインバウンド誘致に積極的である理由について 教えてください。(複数回答)
• 入国制限が解除されたあとの、インバウンド(訪日外国人観光客)需要のインパクトに期待しているから 37.1%
• 日本人観光客の観光消費のみでは、将来的に先細っていくと考えられるから 29.3%
• コロナ前、インバウンド(訪日外国人観光客)による消費が大きかったから 16.2%
• コロナ前からインバウンド(訪日外国人観光客)をメインターゲットにしたビジネスをしているから 16.2%
• その他 1.2%
という回答割合となりました。

海外旅行ができない状況が続く中で、渡航制限が解除された時の爆発的な需要である「リベンジ消費」に期待していることが考えられます。
また、日本国内のみの市場では将来的に先細りを懸念する声も多いことがわかります。

岸田政権に対して観光・インバウンド「期待できる」36.7%
2021年11月から成立したいわゆる「岸田政権」に対して、観光・インバウンド関連事業者はどのようにみているのでしょうか。
「オミクロン株」の急速な感染拡大への対応など、就任まもなくから大きな舵取りを迫られた現政権に対しての印象について調査するため、「インバウンド業界・観光業界にとって、岸田政権は期待できますか?」という質問を行いました。その結果は以下のようになりました。

▲インバウンド業界・観光業界にとって、岸田政権は期待できますか?
• 大きな期待ができる 3.1%
• まあまあ期待ができる 33.6%
• あまり期待ができない 52.7%
• 全く期待ができない 10.7%
という結果になりました。
「大きな期待ができる」「まあまあ期待ができる」を合計すると36.7%という結果です。単純な比較はできませんが、2020年9月の菅政権成立直後に行った訪日ラボのメルマガ会員向けに行った調査では、72.5%が「大きな期待ができる」「まあまあ期待ができる」と回答していました。

現在の岸田政権には、観光・インバウンド事業者から厳しい目線が向けられているといえるでしょう。

政府へ「感染症法の位置付け見直し」求める声強く
「インバウンド業界・観光業界として、岸田政権になにを求めたいですか?」という質問について、以下の結果となりました。

▲インバウンド業界・観光業界として、岸田政権になにを求めたいですか?
• GoTo含む、消費者への消費意欲喚起策(「旅行に行ってもよい」という世論醸成を含む) 63.4%
• 観光事業者への一時支援金 55.0%
• 新型コロナの指定感染症厳格措置緩和 55.0%
• 感染対策に伴う受け入れ環境整備に対する補助金 36.6%
• ワクチン接種完了者を対象にした商品造成への補助金 32.8%
• まん延防止等重点措置などの解除(特に移動や営業時間制限の解除) 30.5%
• その他 12.2%
観光・インバウンド関連事業者にとって、「GoTo トラベル」をはじめとした消費喚起施策や、事業者への一時支援金はやはり最重要視されていることがわかります。
特筆すべき点として、「新型コロナの指定感染症厳格措置緩和」が「観光事業者への一時支援金」と同じ55.0%の回答率が得られたことです。

オミクロン株の感染急拡大によって収束の見通しがさらに遠のいたこと、そして直近の重症患者数、死亡者数が比較的低い水準で推移していることから、コロナ禍の完全な収束を目指すのではなく、捉え方を変えることで経済活動を再開させたいと考えている事業者が増えていることがわかります。

「まん延防止等重点措置」の是非、都市部の事業者ほどネガティブな反応
「2022年1月、「第六波」とも呼ばれる国内の感染急拡大を受け、政府は1月21日~2月13日までの間「まん延防止等重点措置」の適用を決定しました。あなたのビジネスや地域の状況を考慮した場合、この措置についてどうお考えですか?」という質問をしました。結果は以下のようになりました。

▲2022年1月、「第六波」とも呼ばれる国内の感染急拡大を受け、政府は1月21日~2月13日までの間「まん延防止等重点措置」の適用を決定しました。あなたのビジネスや地域の状況を考慮した場合、この措置についてどうお考えですか?

都市部では、
• 良い判断だと思う 12.9%
• やや良い判断だと思う 28.6%
• あまり良い判断だと思えない 40.0%
• 全く良い判断だと思えない 18.6
地方では
• 良い判断だと思う 23.0%
• やや良い判断だと思う 23.0%
• あまり良い判断だと思えない 26.2%
• 全く良い判断だと思えない 27.9%
という結果となりました。
地方部の「良い判断だと思う」「やや良い判断だと思う」の回答率の合計が45.9%に対して、都市部では41.4%と若干下回っています。
また、「良い判断だと思う」の地方の回答率が23%に対して都市部では12.9%と、都市部の方が「まん延防止等重点措置」について否定的である傾向が強いことが見て取れます。

<調査概要>
• 調査対象:訪日ラボWebサイト読者・訪日ラボメールマガジンユーザー
• 調査方法:インターネット調査
• 調査時期:2022年1月26日〜2022年2月2日
• 回答者数:131名
• 設問数:24問(回答内容によって異なります)
※なお、本調査結果の「都市部」と「地方」を分けた回答について、「都市部」は総務省の「大都市部」の定義に基づき、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府の6都府県としています。また、企業の所在地を「その他・海外」とした回答は含みません。