シニア世代の生活満足度、貯蓄と健康に強い関係性、ITリテラシーも影響大きく -野村総合研究所(トラベルボイス 2020年1月31日)https://www.travelvoice.jp/20200131-137841

シニアの平均貯蓄額は2000万円をこえ生活満足度も大きいようだ。しかし格差は大きく、「家計に余裕がない」も6~7割を占めるという。健康と満足度との関係性は貯蓄以上に強く、健康状態が悪くなったと感じ始めるのは、男性70歳、女性75歳ごろ。趣味は、男女とも国内旅行・街歩きが一番人気で、年齢とともに、健康、医療への関心が高まっている。スマホを保有している人ほど満足度が高く、周囲とのコミュニケーションや情報収集の感度が満足度を高めている。

【ポイント】55歳から79歳までのシニア世代の就業や行動に関する調査の結果、65歳を機に意識が大きく転換することがわかった。65歳を境に「生涯年金や貯金で十分」と、ライフスタイルが変化し、健康への関心が高まる。ただ、貯蓄額が多いほど満足度が高いという強い関係性がある。

シニアは生活スタイルについて、ある程度満足していても「家計に余裕がない」と感じ、不安を抱いている人は年齢によらず6~7割と過半を占めている。ただ、年齢とともに「将来に心配がない」という人は増え、余裕度は向上している。平均貯蓄額は2000万円をこえているものの、格差は大きい。貯蓄額が多いほど生活の満足度が高く、シニアにとって重要な要素であることがうかがえる。

健康と満足度との関係性は貯蓄以上に強く、シニア世代の約6割はおおむね健康状態を維持していると感じている。悪くなったと感じ始めるのは、男性70歳、女性75歳ごろ。趣味関心事では、男女とも国内旅行・街歩きが一番人気。年齢とともに、健康、医療への関心が高まっている点も共通している。

3大情報源であるテレビ、新聞、PCも経年変化とともに下降傾向。スマートフォンからの情報取得は増加しているが、シニア世代にとって主要な情報源にまではまだ至っていない。ただ、すべての世代でYouTubeによる動画閲覧の普及が進み、男性は日記・拡散系のFacebook、女性はクチコミの有効手段としてLINEを利用する人が増加。男女のコミュニケーションスタイルも違いがある。LINEをはじめ、スマホやSNSの利用者は利用していない人と比べ、生活の満足度が高い。周囲とのコミュニケーションや情報収集の感度が満足度を高める影響力があると分析している。

野村総合研究所(NRI)の「55歳から79歳までの就業や行動に関する調査」、調査は2019年3月にインターネットで実施。全国55~79歳の男女2000人から回答を得た。