【データ】「テレワーク下の雑談」に関する実態調査
(観光経済新聞 2020年10月5日)
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【ポイント】
「オフサイトミーティング」は、直接、仕事につながらないが、積極的に関わっている人の話を聞くことから、人間的成長につながり、ひいては仕事に還元したという経験をお持ちの方も多いことと思います。
仕事がテレワークになり「雑談がなくなって困る」人は75%だといいます。
・本音・感情・ちょっとした困りごとの共有ができなくなる(49%)
・雑談から生まれるアイデアや気づきが得られなくなる(25%)
・方向性のすり合わせが難しくなること、その結果として発生する修正コスト(24%)

【 概 要 】
組織の実態や本音ベースで仕事の思いを語り合うまじめな雑談「オフサイトミーティング」を推奨してきた株式会社スコラ・コンサルトは、コロナ禍でオフィスワークから在宅テレワークに仕事が移ったことで、職場のコミュニケーションにどのような問題が生じたかについて、ビジネスマン230人を対象にアンケート調査を実施した。

1. 約半数がテレワーク下で「雑談していない」
「在宅のテレワークで、あなたは職場のメンバーと『雑談』をしましたか?」と聞いたところ、「ひんぱんにした」11.7%、「少しした」39.1%、「ほとんどしていない」28.3%、「あまりしていない」20.9%と回答した。
雑談を「ひんぱんにした」「少しした」人は50.8%、「ほとんどしていない」「あまりしていない」は49.2%となりました。

2. 「雑談が減った」8割以上、テレワーク下の「雑談のきっかけ」づくりに課題
「出社時と比較して、職場のメンバーとの雑談機会は減りましたか?」と聞いたころ、「かなり減った」が64.3%、「増えた」3.0%、「あまり変わらない」12.2%、「少し減った」20.4%でした。

「職場のメンバーを含む多くの人と対面で会えないテレワーク環境で、「雑談」が生まれるきっかけはありますか?」と尋ねたところ、「けっこうある」9.1%、「少しはある」31.3%、「ほとんどない」26.5%、「あまりない」33.0%と回答を得ました。
およそ6割の人が雑談のきっかけがないと感じており、オフィスであれば職場の仲間の様子が気になって声を掛けたり、立ち話をしたりと、自発的、偶発的に起こっていた雑談が、テレワーク下では生まれにくいことがうかがえます。

「何が、雑談のきっかけになりましたか?」と聞いたところ、「毎日行うオンライン朝会」や「週1回のグループミーティング」で顔を合わせる時や、「グループチャットを雑談の場にしている」や「雑談用の掲示板を活用している」といったチャットツールで雑談している様子も見て取れます。
「Web会議の開始前や終了後に少し雑談をする」や「雑談MTGを意図的に増やした」といった、意図的に雑談時間を設けているという回答も目立ちました。

3. 雑談が減ることで、職場メンバー同士の不安感が高まる
「職場のメンバーとの「雑談」が減って不安に思うことはありますか?」と聞い
たところ、「かなり不安」20.0%、「少し不安」49.6%、「ほとんど不安はない」8.7%、「あまり不安でない」21.7%となりました。
雑談が減ることによって不安に思う人はおよそ7割に上ることがわかりました。

「どんなことに不安を感じましたか?(複数回答)」と聞いたところ、「みんなの状況が分からない」28.5%、「ちょっとした相談ができない」22.2%、「入ってくる情報が少ない」20.9%となりました。
これまで職場における雑談は、メンバー同士の状況や状態を確認することや、ちょっとした相談をすることで、コミュニケーションとして機能していたと考えられます。

4. 雑談が減ることで、仕事に支障が出る
「仕事をするうえで「雑談」ができなくて困ることはありますか?」と聞いたところ、「かなりある」23.0%、「少しある」51.7%、「ほどんどない」3.5%、「あまりない」21.7%と、およそ75%の人が困ると回答しています。

「困るのは、どんなとき、どんなことですか?」と尋ねたところ、「相手の考え方や状況が見えないため、相談や業務を依頼するタイミングがつかめない」や「対面でのコミュニケーションに比べ、オンラインツールや電話だと、ちょっとした確認や非公式での意見交換がしにくい」という意見が多くみられました。
その他にも、「新しいアイデアの創出、発想の転換が出来ない」、「自ずと出来る情報共有が出来ず効率的にならない」、「業務上必要なこと以外話しさない、報告系のみで心が通じ合う感じが生まれない」などの回答がありました。

5. 職場で必要な話し合いの場
「この先、在宅や出社、時短・時差などメンバーの働き方が多様になるとしたら、あなたは、日常的に職場でどんな話し合いの場があればいいと思いますか?」という質問に対して、下記のような回答がありました。
・「ちょっとしたことを相談する会」
・「雑談に特化した話し合いの場、共通テーマで、かつゲーム感覚で話し合える場」
・「”チャットベースで雑談のフィールドを作ればよい。また週1~2でブレイクタイムと称したミーティングを行うのも面白いと思う」
・「近況報告や情報共有のため、仕事上での困りごとや上手くいったことなどを言い合える、堅苦しくない形でのチームミーティング」
・「メンバーの悩みを率直に吐き出せる、ぶつけられる場が必要。それが無いとメンタルの部分で耐えられないメンバーが出てきそうなので」

●大きな発見だったのは4項の「雑談がなくなって困ること」の自由回答です。「困る」と回答したおよそ75%の内容をみると、多い順に以下のようになります。
・本音・感情・ちょっとした困りごとの共有ができなくなる(49%)
・雑談から生まれるアイデアや気づきが得られなくなる(25%)
・方向性のすり合わせが難しくなること、その結果として発生する修正コスト(24%)
・通常業務や通常の部署の枠組みを超えたインフォーマルな相談がしにくい(2%)

■調査概要
調査期間:2020年7月6日~7月12日
調査対象:組織と仕事の関係に関心のある全国のビジネスマン
調査方法:インターネット調査
回答数:230人