コロナ禍の日本人の旅行意向、旅行予定の最多はシルバーウィーク(9月連休)で34%、一方で世間体を気にしている心理も顕在化
(トラベルボイス 2020年6月1日)
https://www.travelvoice.jp/20200601-146282

JTB調査で、旅行再開のきっかけは、治療薬やワクチンが完成(45.6%)、全国の緊急事態宣言解除(43.8%)となったが、「しばらく行きたくない」は、大都市圏への旅行(55.5%)、海外旅行(48.1%)と厳しい結果となった。
旅行支出は、支出を増やしたい(9.6%)と、昨年から14.5ポイント減少、支出を減らしたい(4.3%)は、16.2ポイント増加した。
「今旅行するのは世間体が悪い」は、国内旅行で12%、海外旅行では16.2%と、日本的な感情が働いているようだ。

【ポイント】
JTBとJTB総合研究所は、「新型コロナウイルス感染拡大による、暮らしや心の変化および旅行再開に向けての意識調査(2020)」の結果をまとめた。

「過去1年間の旅行経験者の旅行再開のきっかけ」は、「治療薬やワクチンが完成し効果が出る(45.6%)」「全国の緊急事態宣言が解除になる(43.8%)」「WHOが全世界の新型コロナの終息 宣言をしたら(33.9%)」が上位を占めた。

「周囲からとがめられなくなったら(26.8%)」では女性が高く、「自治体が来訪自粛要請をやめたら(23.0%)」では男性のほうが高かった。「国際線、国内線の航空機の運航や鉄道の運行本数が正常に戻ったら(13.8%)」「ふっこう割など旅行に行くための支援が始まったら(12.9%)」は他より低い傾向も伺えた。

「すぐ行きたい」旅行については、「知人訪問 (24.4%)」「自然が多い(19.3%)」「帰省(18%)」「居住都道府県内の旅行(15.7%)」の割合が高く、「しばらく行きたくない」は「大都市圏への旅行(55.5%)」「海外旅行(48.1%)」となった。「海外旅行」は、若い女性が旅行に意欲的なのに対して、60才以上の女性では「二度と行きたくない(14.6%)」にものぼった。

今後1年間の旅行支出は「支出を増やしたい(9.6%)」と、昨年から14.5ポイントも減少した一方、「支出を減らしたい(4.3%)」は16.2ポイント増加した。

「感染拡大から現在までの旅行に対する意識の変化と年内の旅行について」は、「2020年中の旅行を予定・検討している」の合計が、2月調査(48.1%)、3月調査(44.1%)、4月調査(31.9%)、5月調査(32.2%)と低い結果となった。

「2020年中に旅行を予定・検討している」と回答した1000人前後に、具体的内容について聞いたところ、5月の調査では、「9~10月(シルバー ウィークなど)」が34.4%で最も高くなった。
行き先では、都市圏が増加したものの、旅行先を居住地と同じ地方とする比率が高くなった。

海外旅行の出発時期には、5月調査では「9月~11月(シルバーウィークなど)(28.7%)」、「11~12月(冬休みなど)(25.5%)」が高く、行き先は、ハワイ、東南アジア、台湾が上位を占めた。
新型コロナが収束している台湾は、4月調査 から増加に転じた。

旅行を検討していない、あるいは変更やキャンセルを検討している理由については、「新型コロナの不安がある」が最も多くなり、「今旅行したり、計画を立てたりするのは世間体が悪い」が、国内旅行で3月調査の5.5%から5月調査では12%に、海外旅行では5.9%から16.2%に増加した。