世界のテーマパーク入園者数2019、ディズニーは微減、ユニバーサル躍進、コロナ禍の影響は「数年続く」予測
(トラベルボイス 2020年8月4日)
https://www.travelvoice.jp/20200804-146736

2019年、世界のテーマパーク大手10社の入園者数は、前年比4%増の5億2100万人。
世界の入園者数は、ディズニーが前年比1%弱減、ユニバーサルスタジオはハリーポッター関連のアトラクションがけん引役となり前年比2.3%増となった。
コロナ禍の影響は数年続くと分析している。

【ポイント】
テーマ・エンターテイメント協会(TEA)とAECOMエコノミクス・プラクティスの発表によると、世界各地のディズニーが運営するパーク来場者数が、2019年は前年並みにとどまった。
パーク側が入場者数を制限し、園内での満足度を高める方針に転換したことに加え、香港における不安定な情勢が影響した。
一方、ユニバーサルスタジオの来場者数は、ハリーポッター関連のアトラクションがけん引役となり大幅増となった。

2019年、世界のテーマパーク大手10社の合計来場者数は、前年比4%増の5億2100万人。
2020年は、新型コロナウイルス感染による一時閉園や、営業再開後のソーシャルディスタンスのため収容人数を制限しており、例年の3分の1から半分にとどまると見込んだ。
コロナ禍以前の運営状況に戻るまでには1年以上、長ければ数年かかるかもしれない。この結果、キャッシュフローが悪化したオーナー企業が、今後の投資計画を見直す動きが出てくるだろう。

ディズニー運営のテーマパーク合計で、2019年の来場者数は前年比1%弱減少したものの、来場者数ベースで世界最大だった。また「世界で最も来場者が多いパーク」の座は、2090万人(前年比0.5%増)が訪れた米フロリダ州ウォルトディズニーワールドのマジックキングダムが堅持した。
続いてカリフォルニアのディズニーランド(1860万人)と東京ディズニーランド(1790万人)、さらに東京ディズニーシーと続くが、いずれも前年比は横ばい。

昨年は来場者数を制限することで、パーク滞在中の満足度を高める一方、入場料は値上げするというのがディズニーの戦略だったが、香港が、政治制度見直しに対する抗議活動により観光需要が縮小し、来場者数が同15%減と落ち込んだとした。
これに対し、ユニバーサルパークス&リゾーツの総来場者数は、前年比2.3%増の5120万人となった。
増加に大きく貢献したのはフロリダにあるユニバーサルのアイランド・オブ・アドベンチャーで、来場者数は同6%増。ハリーポッターをテーマにした新アトラクション登場が奏功した。

米国内向けでは、新しい乗り物などに投資したシダー・フェア・エンターテイメント社で来場者数の伸びが最も大きく、前年比7.8%増。
中国勢も躍進しており、ファンタワイルド・グループが運営するパークへの総来場者数は同19.8%増、オクト・グループ傘下のパークでは同9.4%増だった。

テーマパーク産業も、パンデミックが深刻な問題となっており、今後もその影響が続くことは明らかだが、過去の歴史から分かる通り、危機が過ぎ去ればもとに戻るだろうとの見方を示した。