世界の観光地の32%、旅行者を完全締め出し 国連調査
(CNN.co.jp 2021年3月11日)
https://www.cnn.co.jp/world/35167698.html?fbclid=IwAR135n_MZZaDH6-yKAX_g4DhBeWgvdZ4ABCHtGHT4bCqsy1qvreT1hKIfSw

【ポイント】
新型コロナ変異型の出現により、2021年2月1日現在、世界217カ所のうち32%に当たる69カ所で海外からの観光客を完全に拒み、38カ所では少なくとも40週間の封鎖措置を講じている。
国境閉鎖69カ所のうち30カ所はアジア太平洋に位置するという。
外国人旅行者へのPCR検査の陰性診断や、到着時の抗原検査で、国境開放の流れは遠のいたようだ。

【 内 容 】
国連世界観光機関(UNWTO)は11日までに、新型コロナウイルス禍に襲われる世界各地での観光客の受け入れ態勢に関連し、目的地の3カ所のうち1カ所が観光客を完全に締め出している状況にあるとの新たな報告書を公表した。

新型コロナウイルスの変異型の出現により、多くの政府が渡航制限の緩和努力に二の足を踏み始めたと指摘。観光客を全面的に拒む対応策はアジア、太平洋や欧州で最も目立つとも説明した。
報告書は世界217カ所の目的地での対策を包括的に調査。今年2月1日の段階で32%に当たる69カ所で海外からの観光客を完全に拒み、38カ所では少なくとも40週間の封鎖措置を講じていた。
渡航制限に関する地域別の差異は続いており、完全な国境閉鎖を実施している69カ所のうち30カ所はアジアと太平洋に位置し、15カ所は欧州、11カ所はアフリカ、10カ所は南北アメリカ大陸に3カ所は中東だった。

海外からの旅行者にPCR検査の陰性診断、到着時の抗原検査や追跡調査を念頭にした接触先の詳細な説明を求める措置は増える一方となっている。世界の目的地のうち32%がこれらの処置を要請している。
一方で、同様の比率がこれら検査を二次的あるいは三次的な手段とも位置付けていた。
UNWTOが今年1月に発表したデータによると、昨年は世界の観光業にとって最悪の年となり、海外からの旅行者数は74%も急減。海外渡航の需要の前例のない落ち込み幅と入国制限が影響し、2019年比で10億人落ち込んだ計算になるという。