「ど派手看板」一掃の古都・京都 規制逃れの〝裏技〟に、お上の次なる一手は…
(産經新聞 10月30日)
http://www.sankei.com/west/news/141030/wst1410300001-n1.html

是非、京都らしい景観を創造していってほしいものだ…

【ポイント】
・古都らしい歴史的景観を守ろうと、京都市の改正屋外広告物条例が9月に完全施行してから2カ月。市中心部では、京都らしい看板やシンプルな外観に改修する店が相次ぎ、観光客からは「看板がない方が京都らしい」と評判だ。

・四条河原町の交差点に掲げられていた「阪急電鉄」の大型看板をはじめ、通りから派手な屋外広告物が消えた。
・八坂神社近くの「ローソン八坂神社前店」は格子を設けた和風のしつらえに、看板も白地に黒色の文字に変更した。
・祇園にある「佐川急便」サービスセンターは京町家風の外観で、入り口にはのれんがかかる。

・京都市の屋外広告物条例は、国が定める屋外広告物法に基づき昭和31年に制定。5平方メートルを超える看板などには市長の許可が必要で、屋外広告物の大きさや形、色合いに一定の規制を設けた。
・昭和61年以降のバブル景気を経て派手な屋外広告物が目立ち、平成19年に改正屋外広告物条例を制定した。
 市内全域で屋上広告や点滅式照明を禁止。市を21地域に分け、それぞれの規制区域ごとに看板類の大きさや色、高さを細かく規制した。
 7年間の猶予期間が今年8月末で終了した。
・8月末時点で条例の規制対象とされる約4万5600件のうち、今も約2割に上る約8900件が違反状態という。
 22年度の調査で違反が約7割だったことを考えると、改善は大きく進んだが、屋上広告など明確な違反もまだ約2100件残っている。
・京都市は現在、約110人態勢で指導を続けている。担当者は「美しい景観を守るため、市民の理解を得ながら違反ゼロを達成したい」と意気込む。
 違反物件には是正勧告や命令を出し、最終的には行政代執行法に基づいて撤去するという。

・最近、市の中心地で建物の内側から窓ガラス越しに派手な大型看板を掲げる「特定屋内広告物」が相次いで登場している。
・特定屋内広告物の設置も市への届け出が必要だが、看板の面積や高さなど厳しい規制を定めた屋外広告物条例の基準は適用されない。
 1階では屋内広告物の表示面積を開口部の50%以内、2階では30%以内と規定。色も市内全域が同じ基準である。

・今後も「古都らしい景観」を守る苦難の道のりは続く。