京都・四条通の歩道拡幅始動 にぎわい創出期待

(京都新聞 9月26日)

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140926000024

京都・四条通の車道を片側2車線から1車線にして、歩道を拡幅するそうだ。

【ポイント】

・京都市が重点事業に掲げる四条通の歩道拡幅事業(烏丸通-川端通)が大きく動きだす。市内最大の繁華街の車線を片側1車線に縮小し、人と公共交通にやさしい通りにする取り組みで、にぎわい創出への期待が高まる。

ただ、都心部の幹線道路を狭める試みは全国的にも例がないだけに、市民への十分な説明が不可欠だ。

・四条通の百貨店前のバス停に市バスが到着しても、車道にタクシーや一般車両が止まっており、乗客は車道を歩いてバスに乗り込む必要がある。

・四条通の歩道拡幅は「歩くまち・京都」総合交通戦略で掲げたシンボルプロジェクトで、渋滞や歩道の混雑など、四条通が抱えてきた課題の解消を目指す。

・市や地元商店街、学識者らによる協議会は2006年度から検討を重ねており、市は交通量調査や社会実験の結果、違法駐停車を解決すれば、車線を減らしても大きな混乱は起きないと判断。

事業は12年1月に都市計画決定した。

・京都府の地価調査で代表幹事を務めた不動産鑑定士の森口匠さんは「市民や観光客が歩きやすく、買い物しやすい環境が整う。車両が入りにくいというマイナス面よりもプラス要素が大きい」と地価に与える影響を分析する。

・歩道拡幅事業では、四条通から南北の通りに左折できる場所には、四条通の本線が詰まらないよう左折車線を整備する。

・荷物の積み下ろしや一般車両の乗降のため15カ所設けられる「沿道アクセススペース」は、時間帯で停車できる優先車両を決めてルール化するという。

・工事は夜間に実施される予定。

 現在、歩道にかかっているアーケードはそのまま活用するため、拡幅した部分には基本的に屋根がない状態となる。

・車線縮小後「渋滞がひどくなる」との声もあり、市民だけでなく観光客の理解を得ることも重要となる。