見学先1位は「奈良公園」 日修協、修旅の実態調査
(観光経済新聞 2020年9月11日)
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【ポイント】
修学旅行での見学先は、1位が「奈良公園」、2位が「清水寺」、3位が「金閣寺」で、トップ3はここ数年同様だという。
宿泊地は圧倒的に京都で、宿泊延数730、構成比37%を占める。宿泊地としての奈良は、宿泊延数67、構成比3.4%というから、京都の1/10に過ぎない。
奈良の見学先が、奈良公園(東大寺を含む)と4位の法隆寺、17位の興福寺だけが入っているが、宿泊先に選ばれるような開発が望まれるのかもしれない。

【 概 要 】
日本修学旅行協会が発行した教育旅行年報「データブック2019」によると、18年度に全国の中学校が実施した国内修学旅行での見学先は、1位が「奈良公園」、2位が「清水寺」、3位が「金閣寺」で、このトップ3の順位は昨年と同じだった。

◆宿泊地・利用宿泊施設について
宿泊地の第1位から9位までの大きな変動は見られなかった。
1位の京都府は前回33.3%で今回は37.2%と少し上がり、2位の東京都は前回12.8%で今回は11.4%と下がった。
利用宿泊施設は、「ホテル(洋室中心)」は前回55.9%が今回57.1%で1.2ポイント上がり、「日本旅館(和室中心)」は前回33.7%が今回34.4%と0.7ポイント上がった。
「農山漁村民泊」は、前々回の4.9%、前回は5.6%、今回5.0%となっている。

見学先
奈良公園が1位、清水寺が2位、金閣寺が3位、法隆寺(5位→4位)、USJ(11位→6位)、伏見稲荷(13位→8位)、薬師寺(12位→10位)、銀閣寺(13位→11位)、平等院(16位→14位)、興福寺(19位→17位)と順位を上げ、東京ディズニーリゾート(4位→5位)、国会議事堂(6位→7位)、二条城(8位→12位)、東京スカイツリー(7位→13位)、浅草(10位→15位)、三十三間堂(15位→16位)、沖縄祈念公園(17位→19位)と順位を下げた。
また200件を超えているのは奈良公園、清水寺、金閣寺であり、150件を超えているのは法隆寺、東京ディズニーリゾート、USJである。
全国的に著名な寺社・文化財、娯楽施設などが見学先の中心となっている。
今回の順位は多少の変動があったものの、ほぼ昨年と同様の結果であった。

地域別見学先をみると、特徴的なのは中国では広島平和記念公園(原爆資料館などを含む)、九州では長崎平和公園(原爆資料館などを含む)、沖縄では沖縄平和祈念公園(平和の礎などを含む)が1位で平和学習が積極的に進められていることがうかがえる。
北海道は札幌・函館が新しく入り、東北の中尊寺は昨年と同じで今回も1位であった。中部、四国の見学先は件数が1桁であるため、毎年順位が変動すると予想される。関東の1位は東京ディズニーリゾート、3位は東京スカイツリーの娯楽施設であり、近畿の1位は奈良公園(東大寺を含む)、2位は清水寺の寺社・文化財と地域によって見学先の特徴が表れている。