12/10の日経NEWSに「日本酒の偽装、醸造アルコールとは何か」という記事があったので要旨をご紹介します。
 
【ポイント】
・ 日本酒の偽装は、純米酒に醸造アルコールを混ぜたケースが多い。
・ 国税庁の基準では、純米酒の原料はコメと米こうじだけで、醸造アルコールの添加は認めていない。
・ 醸造アルコールを加えると味がすっきりして、淡麗辛口になりやすい。純米酒に比べて飲みやすい。
・ 吟醸酒の香りの成分はアルコールに溶けやすい。醸造アルコールを添加することで、それまで酒かすに移っていた香りが酒にとどまる。
・ 純米酒はコメの品質や気候などに大きく左右される。酒質を安定させる役割も担う。
・ 日本酒の消費量はこの15年で半減した。吟醸酒は前年度比7%増。純米吟醸酒は同8%、純米酒は2%増。一方で普通酒は6%減。高級な日本酒にシフトしている。
・ 輸出も好調だ。2012年の輸出量は約1万4000キロリットル。10年前の2倍近い。中でも米国と韓国、香港の伸びが著しい。特に米国、香港、シンガポールは、純米吟醸酒などの高級酒に対する引き合いが強い。
・ 米国の酒税法では(1)ビール(2)ワイン(3)蒸留酒に分類されるが、醸造アルコールを添加したものは税率の高い混成酒に分類される。
・ 醸造アルコールを添加していない日本酒(純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒)はビールと同じ扱いとなり、醸造アルコールを添加したもの(吟醸酒、大吟醸酒、本醸造酒、普通酒)は蒸留酒扱いとなる。
・ 海外での販路を広げるためにも、表示の適正化と簡素化が欠かせない。
 
日本酒の偽装は認める訳にいかない行為だが、単に混ぜ物にして粗悪品を流通させているだけでないことが、日経新聞のレポートで分かった。
また、国により酒税法のあり方が異なっている点も課題としてあるようだ。
今の時代にあった,消費者に理解されやすい日本酒のあり方を、本質に立ち返って議論する必要があるのだろう。
 
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0604V_Z01C13A2000000/