インバウンドに人気の都道府県は○○県!楽天トラベル、2018年訪日旅行(インバウンド)人気上昇都道府県ランキングを発表
(HOTELIER 2019年2月13日)
https://www.hotelier.jp/inboundnews/data/20190213-003.html

インバウンドは東京、大阪、京都、北海道などに集中する傾向は変わらないが、地方分散も進んでいる。
楽天トラベルの外国語サイトの人泊数の人気上昇ランキングによると、1位は鳥取県(前年同期比189.6%)、2位は福島県(184.6%)、3位には岩手県だという。
アニメ関連や魅力あるアクティビティーの充実などの地域に集中する傾向がありそうだ。
「モノ」から「コト」に観光スタイルが変化してきたことがここからもうかがえる。

【ポイント】
楽天トラベルの「2018年 インバウンド人気上昇都道府県ランキング」を発表した。

1位は鳥取県(前年同期比189.6%)となった。前年も3位で、近年外国人旅行者からの注目を集めている。
鳥取県はアニメに由来する「米子鬼太郎空港」「鳥取砂丘コナン空港」の2つの空港を擁し、特に名探偵コナンの作者出身地に建つ記念館は、外国人観光客にも人気の観光スポットになるほど、アニメが多くの外国人にも親しまれている。
鳥取県の中でも「鳥取・岩美・浜村」エリアの伸び率が+280.8%(約3.8倍)と最も好調で、同エリアの鳥取砂丘は、パラグライダーや砂の上でも走れるファットバイクなどのアクティビティも充実しており、近年集客を伸ばしている。
また、外国人観光客向けに他府県との周遊観光も積極的に促進しており、昨年、鳥取市は外国人観光客を対象に、鳥取-大阪間の高速バスを割引するキャンペーンを実施。
そのほか鳥取県は島根県と共に、広域観光周遊ルート「縁の道~山陰~」を紹介するウェブサイトの海外向け認知拡大に注力している。
香港からの宿泊が最も好調で、2018年末からは米子-香港の国際線が増便し、今後も人泊数の伸びが期待できる。

第2位の福島県は、前年のランキング圏外から大躍進し184.6%の伸び率だった。
最も人気が集まったのは「会津若松・喜多方」エリアで、会津若松駅と新潟県の小出駅を結ぶJR只見線が、秘境を巡る風景の美しさから「世界で最もロマンティックな鉄道」として中国や台湾、タイなどのSNS上で話題になったことが要因とみられる。
「福島・二本松」エリアは桜の名所として近年注目を集め、「花見山公園」や一本で絢爛に咲く姿が珍しい「三春滝桜」が人気だ。

3位には岩手県がランクイン。台湾からの宿泊が最も好調で、岩手県の玄関口である「いわて花巻空港」に昨年、台湾との国際定期便が就航したことが貢献した。
「安比高原・八幡平・二戸」エリアが+453.8%(約5.5倍)と最も上昇。安比高原スキー場は、いわて花巻空港からバスで約80分とアクセスが良く、ソリやチューブ滑りが楽しめるエリアを拡充したことで、スキーに馴染みのない外国人観光客から支持を集めている。多国籍のスタッフを採用し多言語対応にも取り組んでいる。

観光庁の平成28年の宿泊旅行統計調査によると、都道府県別外国人延べ宿泊者数は、1位の東京都、次に大阪府、北海道など都市部の人気が高いとみられるが、近年「モノ消費」から「コト消費」に観光スタイルが変化してきたことで、日本ならではの体験を楽しもうと各地で観光ニーズが高まっている。
今回のランキングは、そんな多様化した旅のスタイルが見事に反映された結果だと言えるだろう。

※ 2018年の1年間の、楽天トラベルの外国語サイト(6言語10サイト)の人泊数を集計。